国連の人権理事会 日本の人権状況を審査 死刑廃止などを勧告
国連の人権理事会は、日本の人権状況についての審査を行い、死刑制度の廃止や、外国人を収容する施設での医療体制の改善などを求める勧告を含んだ報告書を採択しました。
すべての加盟国の人権状況を定期的に審査している国連人権理事会は、6年ぶりに日本についての審査を行い、3日、各国からの勧告を盛り込んだ報告書を採択しました。
報告書には、115の国と地域から表明された300の勧告が盛り込まれ、死刑制度の廃止や、国際的な基準に沿った独立した人権救済機関の設置を求める勧告が多く記載されました。
また、勧告では外国人を収容する出入国在留管理庁の施設における医療体制を改善することや、収容の長期化を回避するための措置をとることなども求めています。
さらに、とりわけ欧米の国からは、性的マイノリティーへの差別の解消や、同性婚を合法化すること、政治や経済分野における女性の参加を促進することなどを求める勧告が盛り込まれました。
これらの勧告に法的拘束力はありませんが、日本政府は、ことし6月に行われる理事会の通常会期までに、それぞれの勧告について受け入れるかどうかの見解を示す方針です。
報告書の採択後、ジュネーブ国際機関日本政府代表部の山崎和之大使は、「各国からの勧告を慎重に検討したい。日本は今後も対話と協力に基づき、国内外の人権状況の改善に積極的に貢献していく決意だ」と述べました。