防衛費の財源確保へ「防衛力強化資金」創設の法案 閣議決定

政府は3日の閣議で、防衛費の増額の財源を確保するため、国有資産の売却など、税金以外の収入を積み立てる「防衛力強化資金」の創設を盛り込んだ法案を閣議決定しました。

政府は、防衛費増額の財源のうち、
◇4分の1を増税で賄い、
◇4分の3は、
▽歳出改革や、
▽毎年度の決算剰余金の活用、
それに、
▽税金以外の収入などで、
確保するとしています。

この税金以外の収入について、政府は、複数年度にわたって活用できるようにするため、一般会計の中に、新たに「防衛力強化資金」を創設することなどを盛り込んだ法案を、3日朝の閣議で決定しました。

税外収入としては、
▽政府が保有する資産の売却や、
▽特別会計からの繰入金などがあり、
法案では、防衛費に使うことを定めたうえで、防衛力強化資金に積み立て、今後、必要な場合に支出できるようにします。

新年度の予算案では、防衛力強化資金に3兆3806億円が繰り入れられることになっています。

この法案をめぐっては、政府は当初、「財源を確保するため、歳出の改革を継続するよう努める」などとした条文を盛り込んでいましたが、自民党の一部の議員から、「確保した財源がすべて防衛費に充てられ、ほかの政策にまわらなくなる印象を与える」といった指摘が出されたことを受けて、最終的には削除した経緯があります。

松野官房長官「法案審議を通じ国民に丁寧に説明」

松野官房長官は午後の記者会見で「わが国の安全保障環境が厳しさを増す中、防衛力の抜本的強化は国民の命と平和な暮らしを守るために待ったなしの課題であり、今後5年間で必要な防衛力の内容を積み上げ、新たな防衛力整備計画として具体化したところだ」と述べました。

そのうえで「必要な予算や、裏付けとなる財源確保の取り組みについて、国会での法案審議を通じ、国民にも理解してもらえるよう丁寧に説明していきたい」と述べました。