経済安保強化へ 基幹インフラ維持に事前審査など 政府が指針案
経済安全保障の強化に向けて、政府は電力や通信など基幹インフラの機能を維持するための事前審査や、先端技術などの特許を非公開にできる制度に関する指針案を取りまとめました。来年春の運用開始を目指すことにしています。
去年8月に一部が施行された経済安全保障推進法では、
▽サイバー攻撃を防ぐために、電力や通信などの基幹インフラを担う企業が重要な機器を導入する際に、国が事前審査を行うことや、
▽軍事転用できる技術の流出を防ぐため、特許の出願内容を非公開にできる制度を定めています。
政府は、制度の具体的な運用に向けて基本指針の案を取りまとめ、3日に行われた自民党の経済安全保障に関する会合で示しました。
それによりますと、基幹インフラの機能を維持するための事前審査の制度では、
▽対象企業について、事業規模やシェアなどで一定の基準を定めるとしているほか、
▽審査では、導入する機器のメーカーが、どの国で設立されたかや、役員の氏名、国籍、機器が製造された場所などを確認するとしています。
また、特許の非公開化では、対象となる技術を、
▽武器に使われるおそれのある先端技術や宇宙、サイバー分野、
それに
▽大量破壊兵器への転用が可能な核技術などと明記する一方、産業への影響にも考慮して、
一律に非公開とはせず、総合的に判断するなどとしています。
政府は、これらの指針案を有識者会議にはかったうえで閣議決定を行い、来年春の運用開始を目指すことにしています。