スウェーデン フィンランド “NATO 同時に加盟を” 両首相会見

NATO=北大西洋条約機構への加盟を申請している北欧のスウェーデンとフィンランドの首相がそろって会見し、両国が同時に加盟する意義を改めて強調しました。背景には、スウェーデンの加盟にトルコが難色を示していることがあります。

スウェーデンとフィンランドは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて去年5月、NATO加盟を申請し、実現には30の加盟国すべての承認が必要です。

このうちトルコは、スウェーデンで極右団体の代表がイスラム教の聖典コーランに火をつけたことなどを受けてスウェーデンの加盟に難色を示し、エルドアン大統領はフィンランドの加盟だけを承認する可能性も示唆しています。

こうした中、スウェーデンのクリステション首相とフィンランドのマリン首相が2日、そろって会見しました。

クリステション首相は「トルコと交わした覚書のすべての項目について、具体的な結果を出してきた」と述べ、トルコの求めに応じてテロ対策のための法整備などを進めてきたとしました。
また、マリン首相は「両国の安全保障は一体で、同時に加盟することがNATO全体の利益にもかなう」と強調しました。

両国は、NATO首脳会談が行われる7月までに加盟を実現させたい意向ですが、トルコのエルドアン大統領は5月に行われる見通しの大統領選挙などに向けて国内の支持を得るため、スウェーデンに対し強硬な姿勢をとり続けると見られ、加盟の見通しは立っていません。