ヤフーとLINE Zホールディングスとの3社で来年度中に合併へ

IT大手のヤフーと通信アプリのLINEを傘下に持つZホールディングスは、自社を含む3社が来年度中に合併する方針を明らかにしました。経営の意思決定を早めることなどを目的としています。

発表によりますと、3社は、来年度中に合併する方針で、プロジェクトチームを設置し、合併の方法など詳細を検討するとしています。

ヤフーとLINEは、おととし3月にZホールディングスの傘下で経営統合し、SNSや広告、それに金融などネットを通じた幅広いサービスを手がけてきました。

ただ、新型コロナウイルスなどの影響で広告事業が伸び悩んでいたことなどから、今回の合併で経営の意思決定を早め、グループのシナジーを拡大したいとしています。

また、LINEについては、おととし、利用者の個人情報などを中国からアクセスできる状態になっていることが発覚するなど、データの管理体制が問われる事態も発生し、3社は合併によってガバナンスの強化も図るとしています。

一方、Zホールディングスは、新たなトップ人事を発表し、これまで共同でCEOを務めていた川邊健太郎氏が会長に、出澤剛氏が社長兼CEOに、それぞれ4月1日付けで就任することを決めました。

Zホールディングス 川邊社長兼共同CEO「競争力低下 強い危機感」

Zホールディングスの川邊健太郎社長兼共同CEOは、オンラインで開いた記者会見で「広告商品の競争力が競合と比べて低下しており、強い危機感を持っている。この状況を打開するには、大胆かつ抜本的な打ち手が必要だと考えた」と述べ、今回の合併のねらいを説明しました。

その上で、「合併によりグループ経営の意思決定の迅速化を図るとともに、重複機能やグループ内のサービスの統廃合を行い、一層のコストコントロールを進めたい」と述べました。