NATO事務総長 都内で講演”ロシアの侵略戦争は世界への挑戦”

日本を訪れているNATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は、都内で講演し、1年近く続くロシアによるウクライナ侵攻について、「この戦争は単なるヨーロッパの危機ではない。世界の安全保障と安定に対する挑戦だ」と述べ、日本もウクライナへの支援を継続するよう呼びかけました。

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は1日、都内の慶應義塾大学で講演し「プーチン大統領はおよそ1年前、ウクライナを支配しようと侵略戦争を開始した。この戦争は、単なるヨーロッパの危機ではなく、世界の安全保障と安定に対する挑戦だ」と述べました。

そして、「もしプーチン大統領が勝利すれば『残虐な武力行使によって目的は達成できる』というメッセージを、モスクワと北京に送ることになる」と述べ、日本もウクライナへの支援を継続するよう呼びかけました。

またロシアと関係を深める中国については「長距離ミサイルや核兵器の開発を進め、南シナ海を支配しようと行動し、台湾を威嚇している」と警戒感を示しました。

そのうえで「サイバー空間や、アフリカ、北極に進出し、ヨーロッパのインフラまでも支配しようとしている。安全保障は、一つの地域にとどまらないグローバルな課題だ」と述べ、安全保障の分野で、日本との協力を重視する考えを強調しました。