【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(2月1日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる2月1日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

NATO事務総長「ウクライナがロシアに勝利することが重要」

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は2月1日、都内でNHKの単独インタビューに応じ「ウクライナが占領された領土を回復し、独立した主権国家としてロシアに勝利することが極めて重要だ」と述べたうえで、ウクライナへの軍事支援を継続する姿勢を強調しました。

また、ウクライナが欧米に戦闘機の供与を求めていることについては「兵器の供与をめぐってはNATOの加盟国やウクライナの間で継続して話し合いが行われ、戦況に応じて供与する兵器も変わってきた。加盟国が次に何を供与するか今の時点では言えない」と明言を避けました。

ウクライナ東部 ロシア軍が部隊前進か

ウクライナでは、東部ドネツク州でウクライナ側の拠点のひとつバフムトに加え、州都の南西に位置するウフレダル周辺でもロシア軍が部隊を前進させたとみられ、激しい戦闘が続いています。

フランス 自走式りゅう弾砲「カエサル」を追加支援

フランスのルコルニュ国防相とウクライナのレズニコフ国防相が31日、パリで会談し、フランスがウクライナに最新鋭の自走式りゅう弾砲「カエサル」を12門、追加で供与することで合意しました。

両国は、フランス軍の兵士150人をポーランドに派遣し、毎月600人のウクライナ軍の兵士に訓練を行うことや、夏までにフランス国内で2000人のウクライナ軍の兵士に訓練を行うことなどでも合意しました。

また、ウクライナ軍のパイロットにフランス製の戦闘機の操縦訓練を行うことについても意見を交わしたということです。

会談のあとの記者会見で、ルコルニュ国防相は、ウクライナに戦闘機を供与するかどうか質問されたのに対し「タブーはない」と応じました。

また、レズニコフ国防相は、フランスが先月、装甲車の供与を発表したことに関連し「それは投げられた雪玉が雪崩を引き起こしたかのようだった」と述べ、フランスの支援の表明が各国による戦車の供与などの支援表明を後押ししたと指摘しました。

ロシア ラブロフ外相 米国務長官からメッセージ受け取る

ロシアのラブロフ外相は31日、首都モスクワを訪問したエジプトのシュクリ外相との会談後、記者会見を行い、シュクリ外相からアメリカのブリンケン国務長官のメッセージを受け取ったことを明らかにしました。

シュクリ外相は前日の30日、エジプトの首都カイロでブリンケン長官と会談していました。

ラブロフ外相は詳細は明らかにしませんでしたが「ロシアは現状を包括的に解決する目的の真剣な提案であればいつでも耳を傾ける用意がある。受け取ったメッセージは『ロシアは止めるべきだ』『ロシアは立ち去らねばならない』といった内容だった」と批判しました。

ウクライナ外相「第1弾として戦車120~140両受け取る」

ウクライナのクレバ外相は31日、公開した動画で「第1弾として、最新型の欧米の戦車120から140両を受け取る」と述べました。

この中にはドイツ製の戦車「レオパルト2」のほかイギリスの「チャレンジャー2」、それにアメリカの「エイブラムス」が含まれるということです。

クレバ外相は「フランス製戦車『ルクレール』の供与にも大いに期待している」としています。

また、クレバ外相は戦車の供与に加わるのは正式決定に至っていない国も含め12か国に上るという見通しを示し「参加国を増やすとともに、すでに表明した国から供与される数を増やすよう取り組みを続けている」と述べ軍事支援の拡大に向けて働きかけを続ける考えを示しました。

ロシア 欧米戦車破壊に「報奨金」も

欧米の各国がウクライナに対し戦車の供与を相次いで表明する中、ロシアでは、戦車を破壊した兵士に多額の報奨金を出すと表明する企業などが出ています。

原油の採掘用機材メーカーは、ドイツ製の「レオパルト2」やアメリカの主力戦車「エイブラムス」を最初に破壊するか捕獲した兵士らに500万ルーブル、日本円にしておよそ920万円の報奨金を出すとホームページで公表しました。

2番目以降でも、同様の成果をあげた兵士らには、50万ルーブル、およそ92万円を出すとしています。

ロシアの統計庁によりますと、ロシアの1か月あたりの平均賃金は、去年(2022年)11月の時点でおよそ6万3000ルーブル、日本円でおよそ12万円で、今回の報奨金はそれを大きく上回ります。

複数のロシアメディアは、極東のザバイカル地方の知事も同じように多額の報奨金を出すと表明したと伝えていて、欧米がウクライナに軍事支援を行う中、ロシア側の兵士の士気を高めるねらいもあると見られます。

ウクライナ五輪委 “パリ五輪ボイコットの可能性” 本格協議へ

ウクライナのオリンピック委員会は、ロシアとベラルーシの選手の国際大会への復帰が許可された場合、来年のパリオリンピックをボイコットする可能性について各競技の国際競技連盟と本格的に協議を始める方針であることが分かりました。

これは、ウクライナオリンピック委員会が今月26日付けで各競技の国際競技連盟に対して送った書簡の中で明らかにしたものです。

この中で、ウクライナオリンピック委員会はIOC=国際オリンピック委員会がウクライナへの軍事侵攻で国際大会から除外されているロシアとベラルーシの選手について条件付きでの復帰を検討すると発表したことに対し、「ロシアとベラルーシのオリンピック委員会は完全に両国政府の支配下にあり、ロシアの多くのオリンピアンがウクライナへ侵攻している政府の行動を公然と支持している。これはオリンピック憲章の団結の原則に反し、どんな大会への参加も禁止されるべきだ」と批判しています。

そのうえで、「ウクライナオリンピック委員会は各国際競技連盟とパリオリンピックをボイコットする可能性について協議を始める決定を下した」としています。

IOCはロシアとベラルーシの選手の復帰を検討する理由として「いかなる選手もパスポートを理由に参加が妨げられてはならない」としていて、復帰の条件として国を代表しない中立の立場とすることや積極的に軍事侵攻を支持するなど平和に反する行動をとっていないことなどを挙げています。