救急患者「搬送困難な事例」1週間に5519件 非常に多い傾向続く

今月29日までの1週間に、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」は5519件にのぼり、依然として非常に多い傾向が続いていることが総務省消防庁のまとめでわかりました。総務省消防庁は「大雪に伴う転倒事故などで搬送が必要な人にも影響が広がっているとみられる」としています。

総務省消防庁は患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など全国の52の消防機関の報告をもとに毎週取りまとめています。

今月29日までの1週間は5519件で、前の週より479件減り、2週連続で減少しました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる2019年度の同じ時期と比較すると、5.02倍にのぼっています。

このうち、新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは1203件で、全体の20%余りを占めました。

「搬送が困難な事例」を地域別にみると、
▽東京が2469件、
▽大阪市が405件、
▽横浜市が283件、
▽名古屋市が215件、
▽札幌市が147件、
▽仙台市が133件、
▽広島市が128件、
▽福岡市が115件
などとなっています。

新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる2019年度の同じ時期と比べると、
▽東京が5.4倍、
▽大阪市が2.85倍、
▽横浜市が6.58倍、
▽名古屋市が23.89倍、
▽札幌市が3.5倍、
▽仙台市が3.8倍、
▽広島市が6.1倍、
▽福岡市が12.78倍
などと、各地で感染拡大前に比べ「搬送が困難な事例」は非常に多い状態が続いています。

総務省消防庁は「全体の件数は減少したが、新型コロナの感染拡大前と比べるとおよそ5倍にのぼり、厳しい状況が続いている。新型コロナの感染が疑われて搬送が困難になった割合が比較的少なく、新型コロナ以外の病気や大雪に伴う転倒事故などで搬送が必要な人にも影響が広がっているとみられる。引き続き、適時適切な救急車の利用をお願いしたい」と呼びかけています。