藤田初段と対局した牛窪義高九段(75)は、関西棋院の棋士会の会長を務めています。
31日の対局について、牛窪九段は「一生懸命うったが、藤田初段が立派な対局をした。きょう負けて悔しいが、これから藤田初段はどんどん活躍してくれると期待している。まずは、国内の大きなタイトルをとってほしい」と話していました。

囲碁 史上最年少プロ棋士 藤田怜央初段 最年少勝利記録を更新
史上最年少の9歳で囲碁のプロ棋士になった小学3年生の藤田怜央初段が、31日に大阪市で行われた対局で公式戦初勝利をあげ、プロ棋士の最年少勝利記録を7か月更新しました。
大阪市の小学3年生、藤田怜央初段は、囲碁の関西棋院が未来のトップ棋士を育てようと、今年度から設けた「英才特別採用規定」により、去年9月、史上最年少の9歳4か月でプロ棋士となりました。
藤田初段は31日、大阪市中央区の関西棋院で、名人戦予選の対局に臨み、関西棋院棋士会の会長でもある牛窪義高九段(75)と対局しました。
藤田初段は、多くの報道陣が見守る中、緊張した様子で対局室に入り、座布団を重ねた、いすに座りました。
対局は、白番で後手の藤田初段が積極的な攻めを見せ、午後1時23分、202手までで中押し勝ちしました。
藤田初段は、9歳9か月で公式戦初勝利をあげ、仲邑菫三段(13)が持つ10歳4か月の最年少勝利記録を7か月更新しました。
対局後、集まった報道陣を前に、藤田初段は恥ずかしそうにしていましたが、師匠から感想を聞かれると、小さな声で「うれしかった」と答えていました。

対局相手 牛窪九段 “立派な対局 活躍を期待”
師匠 星川五段「よく頑張った」
藤田怜央初段の師匠、星川拓海五段は「序盤からすごく落ち着いて戦えていた。中盤あたりからのさばき方、うち回しがうまく、そこから優勢になった。よく頑張ったなという感じです」と、初勝利をたたえていました。
父 陽彦さん「勝ってほっとした」
藤田怜央初段の父、藤田陽彦さんは「プロになってからここまで、なかなか勝てない中、勝ってほっとした。まだ、これから先がありますが、第1歩を踏み出せたかなと思う」と話していました。