首相長男 公用車で土産購入 約半数の閣僚 土産の受領認める

岸田総理大臣の欧米歴訪に同行した長男の翔太郎秘書官が公用車で土産などを購入していたことについて、およそ半数の閣僚が、こうした土産を受け取ったことを認めた一方、「プライベートなことだ」などとして具体的な中身は明らかにしませんでした。

岸田総理大臣の今月の欧米歴訪をめぐっては、同行した長男の翔太郎秘書官が公用車で買い物を行ったなどと週刊誌に報じられ、岸田総理大臣は、30日の国会審議で、購入したものは閣僚をはじめ、関係者への土産だったと明らかにしました。

これについて31日の閣議のあとの記者会見で、およそ半数の閣僚は、岸田総理大臣側から土産を受け取ったことを認めた一方、「プライベート」なことだなどとして具体的な中身は明らかにしませんでした。

このうち、松野官房長官は「土産をいただいたが、具体的な内容は個人的なことでもあり、一方的に答えるのは差し控えたい」と述べました。
また、高市経済安全保障担当大臣も、受け取ったことを認めつつ、「土産の内容を言ってしまえば、男女で異なったりすると角が立つのではないか」と述べるにとどめました。
このほか、永岡文部科学大臣は「外遊の時はいつも土産をもらうのか」と記者団に問われ「私の記憶ではいつもではない気がする」と述べました。

岸田首相 長男が公用車で土産購入「本来業務に含まれうる」

また、31日の衆議院予算委員会で、立憲民主党の後藤祐一氏は岸田総理大臣の欧米歴訪に同行した長男の翔太郎秘書官が公用車で土産などを購入していたことについて「各大臣は記者会見で『総理からお土産をもらった』と答え、2人の大臣は、中身について『プライベートなことなので控える』と答えた。プライベートのお土産を買うことは公務なのか。公私混同ではないか」とただしました。

これに対し岸田総理大臣は「私自身のポケットマネーで買ったということは間違いない。お土産を買うということについても、誰がやるかということを考えた場合に、政務秘書官が対応するというのは現実ある。これも政務秘書官の本来業務に含まれうると考えており、すなわち公務だ」と述べました。

松野官房長官 土産の購入「個々人が判断すべき」

松野官房長官は、午後の記者会見で「外国訪問中の政務秘書官の役割は多岐にわたり、政治家としての総理大臣の土産物などの購入も本来業務に含まれ得る」と述べました。

そのうえで「総理秘書官を含む随員全員の業務が円滑に遂行でき、不測の事態などにも適切に対処できるよう、必要に応じて公用車を配車することとしており、必要な業務遂行の目的で使用することは問題ない」と述べました。

また、総理大臣の外国訪問時に土産を購入する慣習自体を取りやめるべきだという指摘については「出張や旅行の機会に土産を購入することは儀礼上一般的に行われている。個々人が判断すべきものだ」と述べました。

自民 梶山幹事長代行「批判は真摯に受け止めなければならない」

自民党の梶山幹事長代行は、記者会見で、岸田総理大臣の欧米歴訪に同行した長男の翔太郎秘書官が公用車で土産などを購入していたことなどについて、「批判は真摯(しんし)に受け止めなければならない。問題はなかったとする政府の発表はそのとおりだと思うが、今後、すべての官邸の職員、政府側、自民党側も襟を正して行動していかなければならない」と述べました。

立民 岡田幹事長「閣僚間で申し合わせて規制も」

立憲民主党の岡田幹事長は、記者会見で「海外に行くたびに土産を買っておごりあっていたら、その時間や手間はむだではないかと思うし、閣僚の間で申し合わせて規制することがあっていいと思う。それぞれの内閣が判断することかもしれない」と述べました。

公明 山口代表「当事者の説明をしっかり行うことが大事」

公明党の山口代表は、記者会見で「私自身は事実関係を全く知りうる立場にないので、当事者の説明をしっかり行うことが大事だ」と述べました。

共産 志位委員長「大変な公私混同」

共産党の志位委員長は、記者会見で「大変な公私混同で、許されないのではないか」と述べました。

国民 玉木代表「お土産の文化やめるべき」

国民民主党の玉木代表は、記者会見で「民主党政権のときもあったが、総理大臣や閣僚が外遊したときにお土産を買ってきて配るという文化そのものをやめるべきではないか。古い政治から脱却するチャンスで、今回のことは反省してもらった上で、お土産がないから不平不満を言うといった政治から早く脱却すべきだ」と述べました。