
チェコの次期大統領 台湾の総統と電話会談 外交関係なく異例
チェコの次の大統領に就任するパベル氏と台湾の蔡英文総統が電話会談を行い、半導体などの分野で協力を深めることで一致しました。
中国と国交を結ぶ国の次期大統領が台湾側と電話会談するのは異例です。
チェコでは1月、現職のゼマン氏の任期満了に伴う大統領選挙が行われ、NATO=北大西洋条約機構の元高官のパベル氏が当選しました。
台湾総統府によりますと、パベル次期大統領と蔡総統が30日夜、電話会談を行いました。
蔡総統はパベル氏の当選を祝福したうえで「台湾は、半導体設計や先端科学技術の人材育成、世界的なサプライチェーンの再構築などの分野で、チェコと協力を深めたい」と述べたということです。
パベル次期大統領は会談後、ツイッターに「台湾とチェコは自由と民主主義と人権の価値観を共有していることや、将来、蔡総統と対面する機会を持ちたいことを伝えた」と投稿しました。
チェコは中国と国交を結び、台湾とは外交関係がありません。
こうした国の次期大統領が台湾の総統と電話会談するのは異例です。
ヨーロッパでは、中国の人権問題に対する懸念や、当初期待したほどの投資効果が得られないことなどを理由に、中国と距離をとり、代わりに半導体など先端技術で存在感を増す台湾との関係を深める動きが出ています。