「テラヘルツ波」で隠し持った拳銃など検知 超小型装置を開発

服の下に隠し持った拳銃や包丁などを検知できる超小型の装置が開発されました。物体をすり抜ける性質がある「テラヘルツ波」という電磁波が使われていて、企業の間で防犯対策などへの活用が検討されています。

このうちキヤノンは、テラヘルツ波を照射できる3ミリ四方ほどの新たな装置を開発しました。

電波と光の特性を併せ持ち、布やプラスチックなどをすり抜けるテラヘルツ波の特徴を生かし、検査装置などに活用しようとしています。

この装置を使うと、不審者が服の下に隠し持った拳銃や包丁などを検知でき、その形状をモニターに映し出すことができます。

現在広く使われているエックス線と異なり、テラヘルツ波は被ばくのおそれがないことも特徴だということで、会社では、空港やイベント会場での手荷物検査や、店舗の防犯対策などでの活用を目指しています。

デバイス開発本部の小山泰史主任研究員は「さまざまな場所でのセキュリティ対策に活用できる。性能とコストが両立できるよう技術開発を続けたい」と話していました。

また、テラヘルツ波を使えば、これまでより高速・大容量の通信が可能になると期待されていることから、NTTドコモなど携帯各社が次世代の通信規格、6Gでの活用に向けて研究開発を進めています。