渡良瀬遊水地の火事 鎮火 9時間余燃える

30日午後、栃木県や群馬県などにまたがる渡良瀬遊水地で下草が燃える火事があり、発生から9時間余りたった31日未明に鎮火しました。警察などによりますと、けが人や住宅への延焼の情報は入っていないということです。

30日午後3時半ごろ、栃木県や群馬県などにまたがる渡良瀬遊水地にある谷中湖の北側で下草が燃える火事が起き、東方向に燃え広がりました。

消防車など25台が消火活動にあたった結果、発生から9時間余りたった31日午前0時38分に消し止められたということです。

警察や消防によりますと、火事は1キロ以上にわたって燃え広がったとみられていますが、住宅などがない方向だったため、けが人や住宅への延焼の情報は入っていないということです。

現場では、遊水地への立ち入り規制は解除されましたが、遊水地の中を通る道路沿いでは、31日朝も消防が焼け跡に水をかける作業を続けていました。

警察と消防は火事の原因などを詳しく調べることにしています。

栃木県南部には乾燥注意報

栃木市など栃木県南部では28日から晴れて空気の乾燥した状態が続いていて、気象庁は「乾燥注意報」を出していました。

少なくとも2月1日にかけて、火の取り扱いに注意するよう呼びかけています。

渡良瀬遊水地とは

ホームページによりますと、渡良瀬遊水地は、栃木県南部に位置し、栃木県や群馬県、埼玉県、茨城県の4つの県にまたがる、面積33平方キロメートル、総貯水容量2億トンの国内最大の遊水地です。

“コウノトリの人工塔” 直接の被害 確認されず

栃木市渡良瀬遊水地課によりますと、現場には、国の特別天然記念物、コウノトリの巣作りのための人工の塔が設けられていますが、延焼するなどの直接の被害は確認されていないということです。

31日朝、現場を訪れた近くに住む人は「ニュースを見て確認しに来ました。近くにはコウノトリの巣もあるので影響が心配です」などと話していました。