中国海警局の船4隻が領海侵入していることについて、第11管区海上保安本部の一條正浩本部長は30日午前、定例の記者会見で「中国海警局の船が独自の主張をして領海侵入をしているのは、これまでも申しているように国際法違反だ。今回に限らず、これまでも繰り返し領海侵入し、接続水域の航行が相次いでいるということは極めて深刻だと捉えている。領海を断固として守り抜くという方針のもと、緊密に関係機関と連携して、冷静かつ、きぜんと対応を続け、領海警備に万全を期していきたい」と述べました。
また、沖縄県石垣市が東海大学に委託し、海洋調査を行っていることについては「どのような活動が行われようとも私どもの務めは、日本船舶の安全を確保することで、この任務を遂行していく」と述べました。
尖閣諸島沖で中国海警局船が領海に侵入 海保が警告続ける
沖縄県の尖閣諸島の沖合で、地元の石垣市が行っている海洋調査の船や付近で操業を始めた日本漁船の動きにあわせるように、中国海警局の船4隻が日本の領海への侵入を続けています。海上保安本部は巡視船を配備して、これらの船の安全を確保するとともに、海警局の船に対し、ただちに領海から出るよう警告を続けています。
第11管区海上保安本部によりますと、30日午前4時半ごろまでに、日本の領海のすぐ外側にある接続水域を航行していた中国海警局の船3隻が、南小島と魚釣島の沖合で付近で操業を始めた日本の漁船4隻の動きにあわせるように相次いで領海に侵入しました。
また午前6時すぎには、尖閣諸島の周辺海域で海洋調査を行うため、地元の石垣市が委託した東海大学の調査員などが乗った調査船の動きにあわせるように、南小島の沖合で海警局の船1隻が領海に侵入しました。
午前9時現在、海警局の4隻は調査船や漁船の動きにあわせるように航行したり止まったりしているということです。
海上保安本部は周囲に巡視船を配備して調査船など5隻の安全を確保するとともに、海警局の船に対し、ただちに領海から出るよう警告を続けています。
石垣市の調査は島には上陸せずに、魚釣島の上空でドローンを飛ばして島の様子を調べたいとしているほか、海水を採取して水質の状況を調べ、30日夜、石垣島に戻る予定だということです。