ルフィ名乗る日本人ら引き渡し “数日中にも協議” 比司法相

日本で相次いでいる一連の広域強盗事件をめぐり、フィリピンの入管施設に収容されている日本人の身柄の引き渡しを求められていることについて、フィリピンのレムリア司法相は、数日中にも日本側と協議を行うことをNHKの取材に明らかにしました。身柄の引き渡しに向けた進展があるかどうかが焦点となります。

一連の広域強盗事件では、フィリピンの入管施設に収容されている日本人が「ルフィ」と名乗って施設から指示を出していた疑いがもたれていて、日本の警察当局は、別の特殊詐欺事件などに関わったとして警視庁が逮捕状を取っている渡邉優樹容疑者や今村磨人容疑者ら4、5人の日本人について身柄の引き渡しを求めています。

これについて、フィリピンのレムリア司法相は、29日、NHKの取材に対し、数日中にも日本側と協議を行うことを明らかにしました。

フィリピン当局はこれまで、日本側が引き渡しを求めている容疑者のうち、▽今村容疑者については、必要な書類が整い次第身柄を引き渡す方針である一方、▽渡邉容疑者については、フィリピン国内で刑事手続きがすすめられているとして慎重に精査する姿勢を示しています。

このため、両国間の協議で身柄の引き渡しに向けた進展があるかどうかが焦点となります。

フィリピン捜査当局 「渡邉容疑者は『ビッグボス』」

フィリピンの入管施設に収容されている渡邉優樹容疑者は、おととし5月、首都マニラで捜査当局に拘束されました。

渡邉容疑者は、マニラのホテルにほかの日本人2人と一緒にいたところを見つかり、不法入国などの疑いで拘束されたということです。

当時の捜査当局の発表によりますと、渡邉容疑者は当時、「ケンジ・シマダ」などといった偽名も使っていて、ICPO=国際刑事警察機構から国際手配されていたということです。

また発表では、「捜査の結果、渡邉容疑者は日本やフィリピンなど数か国にまたがって活動する詐欺組織の『ビッグボス』と言われていることが判明した。フィリピン国内ではオンライン詐欺や恐喝などの犯罪に手を染めていた疑いがある」と明らかにしていました。