外食チェーン 人事制度見直し加速 年功序列廃止や処遇改善など

人手不足が続く外食チェーンの間では、人材の確保に向けて年功序列の廃止や処遇の改善など人事制度を大きく見直す動きが加速しています。

「牛角」や「大戸屋」などを展開する「コロワイド」は、これまでの年功序列を廃止し、「ジョブ型」の人事制度をことし4月から導入します。

新たな制度では職務や役割に基づく15段階のグレードを設け、基本給などの報酬を決めます。

スキルアップに応じてグレードが上がる仕組みで、勤続年数に関わらず昇進できるということです。
グループ全体の大半にあたるおよそ3500人の社員が対象で、松見大輔人事法務本部長は「社員のやる気が上がり、接客やサービスの質も高まっていく。外部の優秀な人材の獲得にもつなげていきたい」と話していました。
このほか、ファミリーレストラン大手の「ロイヤルホールディングス」も、デジタル関連や海外事業など専門性の高い一部のポストで、ジョブ型採用の導入を検討しています。
一方、「すき家」や「ココス」などを展開する最大手の「ゼンショーホールディングス」は、人材の確保を目的に2030年まで毎年、賃金の引き上げを決めていて、ことしの春闘でもベースアップを行う方針です。

外食チェーンの間では、コロナ禍からの経済活動の回復で人手不足が大きな課題となっていて、人事制度の見直しを進めるこうした動きはさらに広がりそうです。