【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(29日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる29日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ドネツク州知事 “ロシア軍の砲撃を受け 市民4人死亡17人けが”

ウクライナ国防省は29日、東部ドネツク州や南部ヘルソン州の民間施設が砲撃を受け、死傷者が出ていると発表しました。

このうちドネツク州のキリレンコ知事は、SNSで、28日にウクライナ側の拠点のひとつバフムトと、およそ20キロ西にあるコスチャンチニウカで、ロシア軍による砲撃を受け、あわせて市民4人が死亡、17人がけがをしたとしています。

ロシア国防省 “ウクライナ軍の攻撃受け 14人死亡”

ロシア国防省は28日、東部ルハンシク州の支配地域にある病院が、ウクライナ軍の攻撃を受けて14人が死亡したと発表し、アメリカがウクライナに供与した高機動ロケット砲システム=ハイマースによる攻撃だと主張しています。

米シンクタンク「ロシア軍 大規模攻撃に必要な戦闘力不足か」

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は28日「ロシア軍が、東部や南部でウクライナ軍との戦闘に対応しながら、複数の大規模攻撃を行うのに必要な戦闘力が不足しているようだ」とする分析を発表し、ロシア側にこれまでの戦闘で多大な人的被害が出ていて、攻撃に影響する可能性もあるとみられます。

ゼレンスキー大統領 “長距離ミサイル必要”

ゼレンスキー大統領は28日、公開した動画で「ウクライナ軍に十分なミサイルがあれば、このロシアのテロを止めることができる。ウクライナには長距離ミサイルが必要だ」と述べ、アメリカが供与に応じていないより射程が長いミサイルなどさらなる武器の支援を各国に求めています。

ロシア軍の砲撃受けた住宅地の詳細

東部ドネツク州のウクライナ側の拠点バフムトからおよそ20キロ西にあるコスチャンチニウカの住宅地が砲撃され、28日の現地からの映像では、建物の窓枠などが大きく壊れ、壁が黒焦げになっているほか、人々ががれきを片づけている様子が写っています。

住民の男性は「朝食をとっている時に、窓も全部吹き飛ばされました。妻が無事でよかったです」と話していました。

また住んでいた建物が砲撃を受けた女性は、当時の様子について「テレビを見ていたら、大きな音がしました。思わず閉じた目を開けると、すべてが吹っ飛んでいて、私は血まみれになっていました」と語りました。

東部ドネツク州知事 “住宅地にロシア軍が砲撃 市民3人が死亡”

東部ドネツク州の知事は28日、ウクライナ側の拠点の1つ、バフムトからおよそ20キロ西にあるコスチャンチニウカの住宅地でロシア軍による砲撃があり、市民3人が死亡し、少なくとも2人がケガをしたとSNSで明らかにしました。

ウクライナ側は、ロシアが軍事侵攻を始めて1年になる2月24日までに再び大規模な攻撃を仕掛けてくる可能性があると、警戒を強めています。

ウクライナ大使 供与される戦車の数 321両に上ったと明かす

フランスに駐在するウクライナのオメリチェンコ大使は27日、現地のテレビ局に対し「多くの国が戦車の供与に正式に合意した」と述べウクライナに供与される戦車の数が現時点であわせて321両に上ったと明らかにしました。

ただ、具体的な戦車の型式などは明らかにしておらず、供与されるかが焦点となってきたドイツ製の「レオパルト2」がどれぐらい含まれるかなどは分かっていません。

ゼレンスキー大統領「300から500両の戦車が必要」

ゼレンスキー大統領は27日、イギリスのテレビ局スカイニュースのインタビューで「300から500両の戦車が必要だ」と述べていて、今後も戦況に応じて引き続き軍事支援を求めていくものと見られます。

IOC ロシアとベラルーシの国際大会復帰検討 ウクライナは非難

IOC=国際オリンピック委員会は25日、ロシアとベラルーシの選手について、国を代表しない中立の立場とすることや、ウクライナへの軍事侵攻を積極的に支持するなど平和に反する行動をとっていないことなどを条件に国際大会への復帰を検討することを明らかにしました。

これについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、公開した動画で「がっかりするしかない。このような戦争が起きているときに中立はありえない。ロシアの選手が掲げる中立の旗が、血にまみれたものとなるのは明らかだ」と述べ、たとえロシア代表ではなく中立という立場であっても復帰は容認できず、ロシアをスポーツ界から排除すべきだと訴えました。

また、ロシアの攻撃によりウクライナの何百人もの選手の命が奪われたとして「ロシアが侵攻とテロをやめるべきだ。そのあとでロシアの参加について話せるようになる」と述べた上で「バッハ会長が中立など実在しないことを目の当たりにできるようバフムトに呼びたい」としてIOCの方針を非難しました。