コロナ「5類」移行 医療提供体制に懸念を示す病院も 東京 北区

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを5類に移行することについて、コロナ患者を積極的に受け入れている都内の病院は「ウイルスの感染力が変わらないかぎり感染対策は弱められず、対応できる医療機関が増えるわけではない」と、今後の医療提供体制に懸念を示しています。

東京 北区の東京北医療センターは、感染拡大の初期から新型コロナの専用病床を確保して患者を積極的に受け入れています。

5月8日に新型コロナの位置づけが5類に見直されると、一般の医療機関でも入院の受け入れや診察ができるようになるとされていることについて、コロナ対応の責任者を務める宮崎国久医師は「5類になると、どの医療機関でも受診できると考えられていることに危機感を感じている」と話します。

その理由について、「ウイルスの感染力が変わらないかぎり、患者を隔離するゾーニングや防護服の着用など現在の対応を変えることはできない。今、患者を診られない医療機関は、感染対策を十分にとることができないからで、5類になっても対応できる医療機関が増えることはないと思う」と懸念を示しました。

東京北医療センターは、東京都と協定を結び、渋谷区内で重症化リスクが高く介護が必要な高齢者などを受け入れる臨時の医療施設も運営しています。

こうした臨時の医療施設は都内に複数あり、新型コロナの特別措置法に基づいて設置されていることから、5類になると法的に存続が難しくなる可能性を指摘します。

宮崎医師は「もし臨時の医療施設がなくなると、リスクの高い患者などが病院に集中し、負担がさらに増えると懸念しているので対応を継続してもらいたい」と話していました。