飲料メーカーの労働組合が東京・渋谷で開いた講演会には、ふだん営業や配送などの業務で車を運転している人たちが、オンラインも合わせて100人ほど参加しました。
松永拓也さんは4年前に池袋で起きた暴走事故で妻の真菜さん(当時31)と3歳だった娘の莉子ちゃんを亡くし、事故防止のための活動を続けていますが、民間企業で働く人向けに講演を行うのは初めてで、2人との思い出などを振り返り、「亡くなったと知らされた時は泣き叫ぶことしかできなかった」と当時の心境を語りました。
そのうえで「私も会社員として働いているので、忙しい時に気持ちが焦るのは分かりますが、時間と心に余裕を持って、交通ルールを守って仕事に励んでほしいです。1人1人の交通安全の意識が事故を減らす力になると信じています」と呼びかけました。
参加した自動販売機への配送を担当する30代の男性は「ハンドルを握る責任を改めて感じました」と話していました。
松永さんは「仕事で急いでいる時にきょうの話を思い出して、安全運転に気をつけようと思ってもらえたらありがたいです」と話していました。

池袋暴走事故の遺族が民間企業で講演 「時間と心に余裕を」
東京 池袋の暴走事故で妻と娘を亡くした松永拓也さんが27日、民間企業の業務で車を使う人たちに向けて講演し「忙しい時は気持ちが焦ると思うので、時間と心に余裕を持って、交通ルールを守ってほしい」と呼びかけました。
