
福島第一原発6号機 使用済み核燃料取り出し作業の遅れ明らかに
東京電力は、福島第一原子力発電所6号機で進めている使用済み核燃料の取り出し作業の完了が、1年余り遅れることを明らかにしました。
福島第一原発6号機のプールには、1号機から6号機でもっとも多い使用済みの燃料1400体余りと未使用の新燃料およそ200体が残されていて、東京電力はこのうち強い放射線や熱を出す使用済み燃料の取り出しを去年8月から始めています。
使用済み燃料は共用プールと呼ばれる敷地内の別の施設に移す予定で、スペースを空けるため、発熱量が十分下がっている燃料をキャスクと呼ばれる容器に入れて専用の保管設備に運び入れています。
東京電力によりますと、3基のキャスクを保管設備に運び入れようとした際、気密性が基準を満たしていないことが確認され、調べたところ、使用済み核燃料を水中でキャスクに入れる際、燃料に付いていた鉄さびなどが浮遊し、キャスクのふたの周りなどに付着したことが原因だとわかったということです。
このため、今後はキャスクに入れる前に燃料を水で洗浄することにし、2023年度中としていた取り出しの完了時期は、2025年度の前半に1年余り遅れるということです。
福島第一原発のプールからの燃料取り出しは、3号機と4号機ですでに完了していて、東京電力は2031年までに1号機から6号機までのすべての燃料の取り出しを終える計画です。