新型コロナ感染者の全数把握 高齢者の約3%報告されず 厚労省

厚生労働省は新型コロナウイルスの感染者の全数把握を簡略化した去年9月以降、一部の医療機関で、発生届が必要な65歳以上の高齢者の人数が、ハーシスと呼ばれるシステムでの報告に含まれていなかったケースがあったと公表しました。発生届があった高齢者のうち最大で3.2%ほど、およそ31万4000人が公表している感染者数に含まれていなかったと見込まれるということです。

厚生労働省は、去年9月26日から感染者の全数把握を簡略化し、医療機関が患者の発生届を作成するのは65歳以上の高齢者などに限定し、それ以外の年代については、ハーシスと呼ばれるシステムに総数を入力する運用に切り替えました。

医療機関には発生届を作成した高齢者などについてもハーシスでの総数の報告を求めていましたが、一部の医療機関が報告していなかったため、去年9月26日から今月11日までで発生届があった高齢者のうち最大で3.2%ほど、およそ31万4000人が公表している感染者数に含まれていなかったと見込まれるということです。

このため、厚生労働省は今月13日付けで、医療機関に適正な運用を周知するよう都道府県に依頼したということです。

一方、病床使用率などから、医療ひっ迫の状況は把握できており、感染状況の評価に影響を与えるものではないとして、過去にさかのぼっての修正は自治体の判断に委ね、一律の公表はしないとしています。