特定危険指定暴力団工藤会ナンバー3に無期懲役判決 福岡地裁

平成24年から26年にかけて北九州市と福岡市で市民が襲撃された6つの事件に関わったとして、組織犯罪処罰法違反などの罪に問われた特定危険指定暴力団、工藤会のナンバー3の被告に対し、福岡地方裁判所は、検察の求刑どおり無期懲役の判決を言い渡しました。

北九州市の特定危険指定暴力団工藤会のナンバー3で、理事長の菊地敬吾被告(50)は、平成24年から26年にかけて、北九州市と福岡市で元警察官や看護師、それに歯科医師が拳銃や刃物で襲われた3つの事件のほか、暴力団の立ち入りを禁止するステッカーを掲示していたビルが放火された事件など、市民が襲撃された6つの事件に関わったとして、組織犯罪処罰法違反などの罪に問われ、無罪を主張していました。

26日の判決で、福岡地方裁判所の伊藤寛樹裁判長は「被告は工藤会の最上位者に続く地位で、組織のトップやナンバー2から指示を受け、これを具体化して組員らに行き渡らせた事実が推認できる。組員らが綿密な計画のもとで連携し、犯行に及ぶ動きを生み出す統率者だった」などと指摘し、無罪主張を退けました。

そのうえで「各犯行は被告を含む組織の上位者が、『軽んじられた』という身勝手な考えによる報復や、組織の不正な権益確保をねらうもので、悪質性が高い。法が許容する上限近くの量刑が避けられない」などと述べ、検察の求刑どおり無期懲役の判決を言い渡しました。

工藤会をめぐってはおととし、福岡地方裁判所が、市民を襲撃した事件で殺人などの罪に問われたトップの野村悟被告(76)に死刑判決、ナンバー2の田上不美夫被告(66)に無期懲役の判決を言い渡し、2人の被告はいずれも控訴しています。