コロナワクチン“無料接種継続を”意見多く 厚労省専門家部会

新型コロナワクチンの今後の接種体制について議論する厚生労働省の専門家の部会が開かれ、今の無料での接種を継続するべきだとの意見が多くあがりました。

新型コロナのワクチン接種は、まん延を予防するために緊急の必要があるとして、「特例臨時接種」との位置づけで無料での接種が行われていて、現在はオミクロン株に対応したワクチンの接種が進められています。

26日に開かれた厚生労働省の専門家で作る部会では、ことし4月以降、さらに接種を行う必要があるかや、接種の対象者、間隔や時期などが議題となりました。

この中では、接種の必要性については、今後ウイルスがどう変異するか分からない中で、当面は従来株に由来する成分とオミクロン株に由来する成分を組み合わせた、今の「2価ワクチン」を打てるようにしておくべきだなどの意見が出されました。

接種の対象については、高齢者など重症化リスクの高い人や医療従事者などは接種対象にするべきだとか、子どもなど接種を開始する時期が遅かった人が4月以降でも3回目までの接種を完了できるようにすべきだとして、当面は希望者を対象に今の無料での接種を継続するべきだとの意見が多くあがりました。

また、接種の間隔については、社会機能を維持するため、少なくとも年1回は接種すべきだという意見が多く出されたほか、新型コロナは秋冬以外にも流行するので、6か月の間隔で打てる体制が望ましいといった意見もありました。

厚生労働省は今後、部会の意見なども踏まえ、今年度中に今後の接種の在り方について方向性を示すことにしています。

子ども4人の母親「自己負担になると接種が難しくなる」

新型コロナワクチンの今後の接種体制について、物価高が家計の負担になる中、4人の子どもを育てている東京 八王子市に住む母親は「自己負担になると接種が難しくなり、希望者が接種しやすい環境を作ってほしい」と話していました。

厚生労働省は、新型コロナの感染症法上の位置づけを「5類」に移行する議論に合わせ、無料のワクチン接種を続けるかどうかについても、今年度中に結論を出すとしています。

この新型コロナのワクチン接種について、八王子市で夫とともに4人の子どもを育てている女性の家庭では、夫の仕事に影響が出ないように、これまでに夫婦は3回接種し、4人の子どもたちも去年、それぞれ接種を受けました。

一方、女性の家庭では、物価高が家計に重くのしかかり、高校生までの子どもに無料で食事を提供してくれる「子ども食堂」を利用するなどして食費を節約していますが、この1年で光熱費は2倍近くかかるようになるなど、生活は苦しい状況だということです。

こうした中、ワクチン接種の費用が有料になると、不安は残るものの、接種が難しくなると考えています。

女性は「生活が何より大事なので、ワクチンが打てなくても感染しないように気をつけて乗り切るしかなくなるのではないかと考えてしまいます。今後も希望者が接種しやすい環境を作ってほしいです」と話していました。