IOC ロシアとベラルーシ選手の国際大会への復帰を検討

IOC=国際オリンピック委員会は、ウクライナへの軍事侵攻で国際大会から除外されているロシアと、同盟関係にあるベラルーシの選手について「パスポートを理由に参加が妨げられてはならない」などとして、国際大会への復帰を検討することを明らかにしました。

IOCは、25日、理事会を開いて、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアと同盟関係にあるベラルーシの選手について、去年2月、両国の選手や役員を国際大会に招待したり参加を許可したりしないよう、大会主催者などに勧告した対応について協議しました。

IOCは理事会のあとに声明を発表し、「オリンピック憲章ではいかなるアスリートも差別なく扱われる権利を有する。パスポートを理由に競技に参加することが妨げられてはならない」などとして、国際大会への復帰を検討することを明らかにしました。

そして両国の選手の復帰については国を代表しない中立の立場とすることや、ウクライナへの軍事侵攻を積極的に支持するなど平和に反する行動を取っていないこと、それにドーピング規程を順守し、すべての選手が検査を受けることを条件としています。

またIOCは去年12月、オリンピックサミットでアジアオリンピック評議会がアジアで行われる国際大会にロシアとベラルーシの選手の参加を促す提案をしたことについて、「歓迎し、評価する」としました。

ウクライナの選手たち IOCを強く非難

IOC=国際オリンピック委員会の発表に対し、ウクライナの選手たちは、スポーツ選手の権利向上を目指す国際的なアスリート団体の「グローバル・アスリート」と共同で声明を発表し「残虐な戦争とウクライナへの侵攻を支持するというメッセージを世界に発信するものだ」と強く非難しました。

磯崎官房副長官 “各種競技の国際競技連盟が判断”

磯崎官房副長官は、記者会見で「ロシアとベラルーシの選手の扱いは、IOC=国際オリンピック委員会の方針なども踏まえて、各種競技団体の国際競技連盟が、それぞれみずからの責任で判断するものだ。政府としてはコメントを差し控えたい」と述べました。

JOC山下会長「選手たちに罪はない」

JOC=日本オリンピック委員会の山下泰裕会長は「大会に参加させるかどうかは、国際競技団体の判断になるが、選手たちに罪はないし、パスポートで差別すべきじゃないという意見もある。復帰の方向で可能性を探ることは決して間違っていないと思う」と述べ、IOC=国際オリンピック委員会の方針を支持する考えを示しました。

OCA「ロシアとベラルーシはアジア大会参加へ」

IOC=国際オリンピック委員会の発表を受けて、OCA=アジアオリンピック評議会は26日、IOCの判断を支持する声明を出しました。

そのうえで「ロシアとベラルーシの選手が、アジア大会を含むアジアで開催される大会に参加する機会を提供するよう申し出ている」として、ことし9月に中国の杭州で開幕するアジア大会に両国の参加を認めることを視野に入れていると明らかにしました。

IPC会長「総会で対応を協議」

IPC=国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長は声明を発表し、この中で「スポーツと政治は切り離して運営できることを祈っている」としたうえで、ことしの後半に予定している総会で、IPCによるロシアとベラルーシへの資格停止処分について改めて対応を協議する考えを示しました。