“有害”指摘の「PFOS」「PFOA」目標値設定へ検討 環境省

有害性が指摘されている有機フッ素化合物の「PFOS」と「PFOA」について、環境省などが24日、水質の目標値について話し合う専門家会議を開き、国際的な基準を参考にするなどして、正式な目標値の設定に向け検討を進めることを確認しました。

有害性が指摘されている有機フッ素化合物の「PFOS」と「PFOA」は、沖縄県や神奈川県などの、アメリカ軍基地周辺の河川や地下水などから、暫定的な目標値を超える値が相次いで検出されています。

環境省は、事故などで外部に排出された際に、自治体への届け出が必要な「指定物質」に追加するなどの対策を進めていますが、24日は、水質の目標値を検討するための、専門家による初めての会議が開かれました。

会議では、PFOSなどの健康への影響が、いまだ明確になっていない中、WHO=世界保健機関が公表している指針よりも厳しい値の日本の暫定目標値は、妥当だといった意見が出されました。

そして、当面、現在の数値を維持したうえで、今後、示される見通しの新たなWHOの指針など、国際的な動きを踏まえ、国内の正式な目標値を検討することが確認されました。

また、会議では「PFOSなどによる健康への影響を把握するための研究が、さらに必要だ」などの意見が出され、今後、PFOSとPFOAの毒性についての評価なども行い、検討を進めることにしています。

東京23区内でも目標値を超える値が検出

東京都の調査では、都内の地下水や水道水に「PFOS」や「PFOA」が含まれていることがわかっています。

調査では、国が暫定的に設けている目標値の、1リットルあたり50ナノグラムを超えているところがないか計測し、超えているところがあれば、監視体制を強化したり、井戸からの取水を停止したりして対応しています。

都の水道局によりますと、定期的に行う水道水の検査では、アメリカ軍横田基地のある多摩地域で、都が管理する井戸の277か所のうち、立川市や府中市など34か所で、目標値を超えるなどしたため、現時点で取水を停止しているということです。

都水道局の担当者は「われわれとしては、住民に安全で安心な水道水を届けることが大事なので、しっかり検査を継続して、確認して管理していきたい」と話していました。

一方、都の環境局が行った去年2月の地下水の調査では、多摩地域の自治体のほか、渋谷区や文京区といった23区内の調査地点でも、目標値を超える値が検出されています。

都環境局の担当者は「基地周辺だけでなく、23区内でも目標値を超える自治体が確認されていて、何が原因で検出されているか、判断できない状況だ。健康にどれほどの影響があるかどうか含めて、国の議論を注視したい」としています。

「健康に影響があるのかどうか気になる」立川市の住民

東京のアメリカ軍横田基地近くの住民からは、有害性が指摘されている有機フッ素化合物について、詳細な情報がないとして、不安に感じる声があがっています。

東京都の調査で横田基地に隣接する立川市では、井戸水などから有害性が指摘されている有機フッ素化合物の「PFOS」と「PFOA」が国の暫定的な目標値を超えて検出されています。

沖縄県や神奈川県などのアメリカ軍基地周辺でも、国の暫定的な目標値を超える値が検出されていますが、都によりますと、有機フッ素化合物と横田基地との関連はわかっていないということです。

基地から歩いて10分ほどのところに32年間住んでいるという立川市の幸節澄子さん(77)は「水は毎日のように使う大切なライフラインですし、昔は農業用水を井戸水をくみあげて使っていたこともあり、健康に影響があるのかどうか気になります」と話していました。

また、基地との関連がわからないことについては「日米地位協定もあって、都が基地の中に入って調査するのは難しいと思うが、都として健康を第一に考えて広く調査をしてほしい」と話していました。