【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(24日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が始まって24日で11か月となります。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる24日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ドイツ製戦車供与 ドイツ国防相「速やかに判断下されると期待」

ドイツのピストリウス国防相は24日、ウクライナへの軍事支援の焦点となっているドイツ製の戦車の供与について、判断は速やかに下されるとの認識を示しました。一方、ポーランドの国防相は自国が保有するドイツ製戦車の供与の許可を、正式にドイツに求めたことを明らかにしました。

ドイツのピストリウス国防相は、24日、首都ベルリンでNATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長と会談した後、共同で会見しました。

この中で、ピストリウス国防相は、ウクライナへの供与の判断の結論を出していないドイツ製戦車「レオパルト2」の対応について「判断は速やかに下されると期待している」と述べ、ショルツ首相が速やかに判断するとの認識を示しました。その上で「前向きな判断が下されたらわれわれは迅速に動くことができる」と述べ、供与の準備も進めていると説明しました。

また、NATOのストルテンベルグ事務総長は、会談で「レオパルト2」の供与について意見を交わしたと明らかにしドイツの判断に期待を示しました。

一方、この会談後、自国が保有する「レオパルト2」をウクライナに供与する意向を示すポーランドの国防相は、「ドイツは許可の申請を受け取っている」とツイッターに投稿し、正式にドイツに許可を求めたことを明らかにしました。

ドイツ製の戦車をウクライナに供与する場合、保有する国がドイツの許可を得る必要があり、今後、ドイツの判断が焦点です。

ロシア大統領府報道官 ドイツ戦車供与をけん制

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、24日、欧米側の軍事支援としてドイツ製戦車「レオパルト2」の供与が議論されていることに対し「ロシアとドイツの関係はすでにかなり低迷している。ドイツやEU=ヨーロッパ連合、NATO=北大西洋条約機構の他の国とも実質的な対話がない。しかし、戦車が供与されたら、将来の両国関係にとって良いことにはならず、必ず、避けられない傷を残すことになるだろう」と述べドイツとのさらなる関係悪化につながるとけん制しました。

ウクライナ 政府要人の解任相次ぐ 懸念の声も

ウクライナでは、政府の要人が解任される事態が相次いでいて、ロシアに対して徹底抗戦を続ける姿勢に影響が出ないか懸念する声も上がっています。

このうち、ゼレンスキー大統領の側近で大統領府のティモシェンコ副長官と国防省の幹部が24日までに解任されました。

解任の理由は明らかになっていません。

また、地域発展省の幹部が、前線への物資の調達をめぐって賄賂を受け取っていたなどの疑いで逮捕され、22日、解任されました。

さらに、成人男性の国外への渡航が原則禁じられている中で、検察の幹部がスペインで休暇をとっていたことが明らかになったあと解任されました。

ゼレンスキー大統領は23日、政府要人などが公務以外で国外への渡航を原則禁じる大統領令に署名するなど、綱紀粛正の徹底を図る姿勢を示しました。

軍事侵攻から11か月となり、戦闘が長期化する中で政府の要人が次々に解任される事態に、地元メディアは政府が早急に対応をとる必要性を強調していて、ロシアに対して徹底抗戦を続ける姿勢に影響が出ないか懸念する声も上がっています。

ロシア軍参謀総長 “前例のないレベルの軍事行動を展開”

ロシア軍の制服組トップのゲラシモフ参謀総長は24日、ロシアの新聞「論拠と事実」の電子版に掲載されたインタビューで、軍事侵攻について「現代のロシアでこれほどの軍事行動のレベルと激しさは前例がない。ロシアは事実上、西側諸国の全体から敵対行為を受けている」として、前例のないレベルの軍事行動を展開しているという認識を示しました。

そのうえで「最高司令官が定めた目標を成し遂げ、国の軍事的な安全を確保するために、あらゆる手段を講じる」と述べ、プーチン大統領の指示に従って作戦をさらに進めていく構えを強調しました。

一方、ウクライナ国防省の情報総局の幹部は23日、ウクライナメディアに対して、ロシア軍が再編成される中で、2月から3月にかけて、東部ドンバス地域でロシア軍が大規模な攻撃を仕掛け、戦闘が一層、激しくなるという見通しを示し、警戒を強めています。

ウクライナ 副長官解任の大統領令

ウクライナ大統領府は、24日、ティモシェンコ副長官を解任したとする大統領令を公表しました。

これに先立ち、ティモシェンコ氏は自身のSNSでゼレンスキー大統領に対し、辞表を提出すると明らかにしていました。

ティモシェンコ氏は、ウクライナでの戦況などについてたびたびSNSなどで情報を発信してきました。

大統領府が副長官を解任した理由は明らかにされていませんが、地元メディアはティモシェンコ氏をめぐるスキャンダルを報じていました。

ゼレンスキー大統領「力を結集する日だ」

ウクライナのゼレンスキー大統領は23日に公開した動画で、軍事侵攻から、24日で11か月となることについて「ウクライナの勝利のために力を結集する日だ」と述べて、市民に改めて結束を呼びかけました。

また「粘り強い外交活動が真の防衛力強化につながった」としたうえで「2月には指導者たちとさらに実のある交渉をすべく取り組んでいる」と述べ、欧米諸国に軍事支援を求めました。

松野官房長官「G7議長国として制裁や支援 強力に推進」

松野官房長官は、24日午前の記者会見で「国際社会が長きにわたる懸命な努力と多くの犠牲の上に築きあげてきた国際秩序の根幹を脅かすものであり、平和秩序を守り抜くため、G7をはじめとする国際社会が結束して断固たる決意で対応する必要がある」と指摘しました。

そのうえで「G7議長国として、これまで以上に国際社会の連携を確保し、引き続き対ロ制裁やウクライナ支援を強力に推進していく」と述べました。

EU ウクライナ追加軍事支援で合意

EU=ヨーロッパ連合は23日、ベルギーで外相会議を開き、ウクライナに対し5億ユーロ、日本円で700億円余りの軍事支援を追加で行うことで合意しました。

EUの外相に当たるボレル上級代表は、会議のあとの記者会見で「われわれはウクライナへの支援を続ける。ウクライナはこの戦争で勝たなければならない。最良の方法で支援する」と強調しました。

軍事支援は装備品の供与などに充てられるということです。

また、外相会議ではウクライナが求めているドイツ製の戦車「レオパルト2」の供与についても話が出たということです。

ボレル上級代表は「私の理解ではドイツは戦車を保有するEU加盟国が希望すれば輸出を禁止するつもりはない」と述べ、ほかの国がウクライナに「レオパルト2」を供与することにはドイツは反対しないという見方を示しました。

「レオパルト2」をめぐっては、これまでにポーランドが供与に向けてドイツに許可を求める考えを表明していて、ウクライナへの供与が実現するか注目されています。

軍事侵攻11か月 ロシア大規模攻撃準備か

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めてから24日で11か月となります。

ロシアは今月、軍の制服組トップ、ゲラシモフ参謀総長を新たに軍事侵攻の司令官に任命し指揮系統の立て直しを行い、大規模な攻撃に向けた準備を進めているという見方が出ています。

ロシア軍は、東部ドネツク州や南部ザポリージャ州などで攻撃を続けているほか、今月16日からはウクライナ北部と隣接するベラルーシで合同演習を実施し、軍事的な揺さぶりを行っています。

ウクライナ 欧米諸国にさらなる軍事支援を要請

ウクライナは、反転攻勢のため攻撃能力が高く、ヨーロッパ各国が保有しているドイツ製戦車「レオパルト2」の供与を求めるなど欧米諸国にさらなる軍事支援を訴えています。

「レオパルト2」をめぐっては、ドイツ政府はウクライナに供与するかどうかの判断を先延ばしにしましたが、バルト三国のエストニア、ラトビア、リトアニアの外相が直ちに供与するようドイツに呼びかけたほか、ポーランドのモラウィエツキ首相は23日、自国が保有する「レオパルト2」の供与に向けてドイツに対し許可を求める考えを示しました。

今後「レオパルト2」がウクライナに供与されるかどうかが焦点となっています。

ロシア外相「欧米はロシアのすべて破壊しようとしている」

ロシアのラブロフ外相は23日、訪問先の南アフリカで「ウクライナで起きていることはハイブリッド戦争ではなく、もはや本物の戦争となっている。欧米側はロシアのすべてを破壊しようとしている」と述べ、ウクライナを支援する欧米側を強くけん制しました。

ロシア エストニア大使に国外退去を通知

ロシア外務省は23日、バルト三国のエストニアの大使を呼び、エストニアとの外交関係を格下げし、2月7日には大使がロシア国外に退去するよう通知したとする声明を発表しました。

これに先立ち、エストニア外務省は今月11日、エストニアの首都タリンに駐在するロシアの外交官の人数を2月1日までに減らす必要があるとロシア側に通知していました。

ロシア外務省は「エストニアの指導者はロシアとの関係を意図的に破壊している。ロシア嫌いが国の政策にまで高まっている」として、対抗措置だと主張しています。

一方、これを受けて、エストニア外務省はツイッターに「同じ時期にロシアの大使に国外退去をしてもらう」と投稿しました。

ウクライナへ軍事侵攻したロシアに対し、エストニアなどバルト三国は一段と警戒を強めていて、今月21日には、バルト三国の外相たちが声明を発表し、ドイツ政府に対して、ドイツ製戦車「レオパルト2」をウクライナに供与するよう促しています。

専門家「双方が次の大攻勢のタイミング見計らっている」

ロシアの安全保障に詳しい防衛省防衛研究所の長谷川雄之研究員は、現在のウクライナの戦況について、こう着状態にあるとしたうえで「ロシア、ウクライナ双方が、次の大攻勢に出るタイミングを見計らっている段階だ」と指摘しました。

ロシア側が掌握を目指す、東部ドネツク州のウクライナ側の拠点の一つ、バフムト周辺での攻防について「ロシア側は、じりじりと占領地域を拡大している。ウクライナ側は、どの程度、この地域に戦力を割くのか難しい選択を迫られている」と分析しました。

一方、ウクライナと北部で隣接するベラルーシに、ロシア軍が合同演習の名目で部隊を展開していることについて「首都キーウとゼレンスキー政権にプレッシャーをかけて、ウクライナ軍を北部に配置させるねらいがあるとみられる」として、ウクライナ側の戦力の分散を図り揺さぶりをかけているという見方を示しました。

今後の見通しについて、長谷川研究員は、ロシア側は軍事侵攻の指揮を執る新たな総司令官に軍の制服組トップ、ゲラシモフ参謀総長が就いたことを注目点に挙げ「ゲラシモフ氏はロシアの軍事戦略の新たな概念を提唱し、実現してきた人物で『最後の切り札』ともいえ、彼の失敗は許されない。プーチン大統領に対してアピールするような象徴的な作戦を実施する可能性がある」として、ロシア軍が明らかな戦果を求めて激しい攻撃に出る可能性を指摘しました。

一方、ウクライナ側について「さらに長期化すると、国際世論の関心を高い水準で維持し続けることが徐々に難しくなる。欧米の軍事支援が続く限られた期間のなかで大きな成果をあげる必要がありゼレンスキー政権においても焦りがあるのではないか」と指摘しました。

そのうえで「ウクライナは今、欧米の軍事支援を本格化してほしいと以前よりもさらに強いトーンで呼びかけているし、欧米側もこれに沿う形で、より高次の軍事支援を始めている」と述べ、ウクライナ側が準備を進める春の大規模な奪還作戦に向けて、欧米側が、戦車の供与などどの程度まで軍事支援を進めるかがカギになると指摘しました。