「キャプテン翼」で町おこし 東京 葛飾区にサッカー場を

人気サッカー漫画「キャプテン翼」を活用したまちおこしを進める東京 葛飾区は、区内にサッカースタジアムの建設を目指し、JR新小岩駅近くの運動場を取得する方針です。これは23日の葛飾区議会の委員会で区側が示したものです。

それによりますと、JR新小岩駅近くにある6万8000平方メートルの敷地を取得して、1万5000人規模の観客を収容できるサッカー専用のスタジアムを建設する方針だということです。

葛飾区は人気サッカー漫画「キャプテン翼」の原作者の出身地であることから、サッカー場とともに「キャプテン翼」をテーマにしたミュージアムの建設も目指したいとしています。

区は敷地を保有する文部科学省の外郭団体「日本私立学校振興・共済事業団」と、近く協定書を取り交わす方針だということです。

区によりますと、取得費用はおよそ350億円を見込んでいて、建設が実現すれば、東京23区に入場可能数がJリーグのJ1基準、1万5000人以上を満たすサッカー専用のスタジアムができるのは初めてだということです。

ただ、区は来年3月に不動産の引き渡しを受けたあと、しばらくは運動場として区民に開放する方針で、スタジアムの建設時期は現時点で未定だとしています。

葛飾区出身で「キャプテン翼」の原作者、高橋陽一さんは、10年前漫画の主人公が所属した「南葛SC」と同じ名前の社会人チームを誕生させ、活動拠点となるサッカースタジアムの建設を提案してきました。

高橋さんがオーナーを務め、関東1部リーグに所属する「南葛SC」は、Jリーグ昇格を目指していて、区は建設したスタジアムを、将来的に「南葛SC」のホームスタジアムとして活用したいとしています。

高橋さんは「10年前は、Jリーグ入りがだいぶ先の目標だったが、現在はJ3まであと2つリーグを勝ち上がれば手が届くところまで来ている。もうひと頑張りして早くJリーグに上がりたい」と話していました。

そのうえで「漫画を書き始めた当初は日本にはJリーグもなく、ヨーロッパなどサッカーが盛んな国の人たちが、地元のスタジアムで毎週末に試合が見られる環境を羨ましく感じていた。地元にスタジアムができ、世界的な選手の試合が行われるかもしれないと考えると、とても感慨深く楽しみな気持ちだ」と話していました。