“10年に一度の低温”水道管凍結や車立往生リスクも 注意点は

24日以降、全国的に10年に一度程度の低い気温になる見込みで、路面や水道管の凍結による影響が出るおそれもあります。過去には長時間の立往生に巻き込まれたり大けがをしたりするケースも発生しています。また気温が低いときには「水道管の凍結」のリスクも高まります。

大雪の際のリスクと注意が必要なポイント、それに水道管凍結を防ぐ対策などをまとめました。

《車のスタックやスリップに注意》

大雪の際には、道路に積もった雪に車のタイヤが埋まって動けなくなる「スタック」や、凍結した路面での「スリップ事故」が相次いでいます。

外出の見合わせを検討するほか、やむをえず車を利用する場合は以下の対策をしてください。
□冬用タイヤやチェーンを装着。
□急発進・急ブレーキ・急ハンドルはダメ。
□十分な車間距離を取る。
□時間に余裕を持って速度を落とす。

大雪の状況によっては冬用タイヤを着けていてもチェーンを装着していないと通行できないことがあるので、国や地方自治体、高速道路会社などが発表する最新の情報を確認するようにしてください。

《「ブラックアイスバーン」の危険性は》

JAF=日本自動車連盟では、雪道や凍結した路面での運転に関して注意を呼びかけていますが、特に、薄い氷が張って滑りやすくなる「ブラックアイスバーン」と呼ばれる路面は、ぬれただけの路面と区別がつきにくいため注意が必要だとしています。

「ブラックアイスバーン」とは? 雪道での運転前の注意点は?

Q.各地で気温が下がるおそれ。雪が降らない地域でも運転には注意が必要?
A.JAFでは、全国的に気温が下がりふだんは路面が凍結しない地域でも凍結のおそれがあるため、都心でも注意が必要だと呼びかけています。中でも「ブラックアイスバーン」と呼ばれる表面に薄い氷が張った状態は、ぬれているだけの路面と見分けがつきにくいことから、そのまま走っても問題がないと考えがちですが、実際は滑りやすく、車の動きにも影響が出てしまうため危険だといいます。
Q.具体的にどんな危険があるの?
A.JAFでは、過去にブラックアイスバーンに関する実験を実施しています。スタッドレスタイヤを装着した車が時速40キロで急ブレーキをかけた際に、停止するまでの距離を比べました。その結果です。
□通常のぬれた路面…11メートル
□雪が積もった圧雪路面…20.2メートル
□ブラックアイスバーンの路面…69.5メートル
□凍結した氷盤路面(アイスバーン)…84.1メートル
スケートリンクのようになる氷盤路面が最も長くなりましたが、ブラックアイスバーンも通常のぬれた路面の6倍以上になりました。JAFでは、スタッドレスタイヤを装着していても、すぐに止まれるわけではないため過信は禁物だとしています。

Q.どんな場所で発生するの?運転する際の注意点は?
A.
【場所】橋の上やトンネルの出入り口など、気温が低くなりやすい場所や、風が通りやすい場所、日陰で発生しやすくなります。
【時間帯】路面が見えにくく気温が下がる夜間や早朝は特に、ぬれた路面とブラックアイスバーンの路面を見分けるのは難しいため、路面が凍っていることを念頭に置いた慎重な運転が必要です。
【運転時】また、ブレーキをかけてから止まるまでの距離が長くなるので、事故を防ぐためにも車間距離に余裕をもつこと、コントロールが効かなくなる「急発進」「急停止」「急ハンドル」といった『急』のつく動作はしないといったことが重要です。

Q.それでも、もし運転中にブラックアイスバーンの路面で滑り始めてしまったら、どうしたらいい?
A.JAFでは、急ハンドルを切っても思いどおりの方向には進まず、急ブレーキを踏んでもすぐには止まらないとして、落ち着いてエンジンブレーキを掛けるなど、徐々にスピードを落とすような動作が必要だとしています。

Q.あすからの寒気、どういった対策が必要?
A.JAFでは、不要不急の外出を避けることがポイントだとしています。都心部や雪に慣れていない地域では路面の凍結が予想されるため、冬用タイヤでない場合は、急ぎの用事でないかぎり外出を控えることを呼びかけています。また寒さによりバッテリーが上がってしまうことにも注意が必要です。

Q.雪が降る地域の注意点は?
A.大雪やホワイトアウトなどによる立往生が予想されます。どうしても車の運転が必要な場合は、備えや注意点として以下のものがあげられます。
□冬用タイヤだけでなく、チェーンも準備する。
□立往生に巻きこまれても車内で過ごせる装備を積む。
(防寒具や簡易トイレ、食料、モバイルバッテリー、スコップなど)
□時間にゆとりを持ち、広い幹線道路を選んで走る。
(抜け道として使いがちな細い道は除雪されておらず立往生の可能性も)
□立往生の際は一酸化炭素中毒に注意。
(排気ガスが車内に入らないよう、周辺の除雪が必要)

《車の立往生で命に危険迫る場合も 注意点は》

大雪の際はスタックや事故などで立往生がたびたび発生し、解消まで丸一日以上かかるケースも相次いでいて、中には数十時間に及んだこともあります。

以下の対応をとると安全性が高まります。
□可能なら近くの安全な施設へ移動。
□防寒具を着用しなるべくエンジンを切る。
□排気ガスの流入を防ぐためマフラー周りを除雪する。

排気ガスが車内に入ると一酸化炭素中毒で死亡するおそれもあります。どうしても暖房をつける場合は必ずマフラーの周りの雪をどかすようにしてください。

また、長時間同じ姿勢をとっていると血流が悪くなり、血の固まりができてエコノミークラス症候群の危険性が高まります。以下の点を心がけ、定期的に体を動かして、こまめに水分をとることも非常に重要です。
□足の指を閉じたり開いたりする。
□足首を回す。
□つま先を引き上げ足首の曲げ伸ばしをする。
□ふくらはぎや足首をマッサージする。
□背伸びや上半身をひねる。
□水分を補給する。
体調が悪くなったら迷わず救助を要請してください。

《転倒にも注意 気をつけるべき場所や歩く際のポイントは》

特に雪に慣れていない地域では積雪したり凍ったりした路面を歩いて転倒し、大けがにつながることもあります。特に注意したいのが以下の場所です。
□車や人が多く通行する道。
□横断歩道。
□道路や歩道の脇。
□バスやタクシーの乗降場所。
□歩道橋。
□ビルや住宅の日影。
□鉄道や地下街の出入り口。

歩く際の注意点です。
□滑り止めの付いた靴を履く。
□歩幅を小さくペンギンのように歩く。
□靴の裏全体を地面につけ歩く。
□リュックサックなどで両手を自由にする。
□手袋や帽子を着用。
□転ぶときはお尻から。

移動に時間がかかることを念頭に余裕を持った計画を立てておくことも重要です。

食料や飲料水 燃料式の暖房器具の準備など備えも

大雪の際は木や電線などに雪が付着する「着雪」による影響も考えられます。

高いところの雪が落下して思わぬけがをすることもあり、屋根や雨どい、電線の下、樹木の枝の下、高い場所にある看板は注意が必要です。

さらに着雪によって電線が切れて停電が発生したり、折れた樹木などで交通に影響が出たりして集落が孤立することもあります。

食料や飲料水や、電気を使わない燃料式の暖房器具を準備するなど停電や孤立への備えも確認してください。

一方、停電のため小型発電機を使用する際には、一酸化炭素中毒に注意が必要です。

絶対に室内では使わず屋外の風通しのよい場所に設置するほか、石油ストーブやカセットコンロなどを使う際には定期的な換気を心がけてください。

先月の大雪では停電が続いていた新潟県柏崎市で、女性が自宅前の車の中で一酸化炭素中毒により死亡する事故も起きています。

一酸化炭素は臭いや色もないため異変に気づくことが難しく、非常に危険です。上記のポイントをよく確認して、少しでも安全な環境で暖をとるようにしてください。

《参考》各地の大雪に警戒が必要な期間(23日午前11時時点)

【東北】
24日朝から25日にかけてです。
【関東甲信】
24日朝から25日にかけて警報級の可能性が高くなっています。
【北陸】
24日朝から26日木曜日にかけてで、24日朝から25日は警報級の可能性が高くなっています。
【東海と近畿】
24日朝から25日にかけてです。
【中国地方】
24日朝から25日にかけて警報級の可能性が高くなっています。
【四国】
24日朝から25日にかけてです。
【九州北部と南部】
24日朝から25日にかけて警報級の可能性が高くなっています。

《水道管の凍結対策は?もし凍結したら「熱湯はかけない」》

気温が低いときに発生しやすくなるのが「水道管の凍結」です。

厚生労働省によりますと、ふだん気温がそれほど低くならない地域では、最低気温がマイナス4度以下になると水道管が凍結しやすくなります。

特に屋外に出ていて、北向きで日陰になりやすい場所や風があたりやすい場所にある水道管は、凍結しやすいということです。

凍結を防ぐためには外気がふれる部分を保温材やタオルで覆ったり、少量の水を流したままにしたりするなどの対策が有効で、寒冷地では「水抜き栓」を使い事前に水を抜いておくことも大切です。
もし凍結した場合は、その部分を溶かすため、タオルなどを巻いてゆっくりとぬるま湯をかけるようにしてください。熱湯をかけると水道管が破裂するおそれがあります。

また、万が一、断水した場合に備えて飲料水を備蓄したり浴槽に水をためておいたりすると安心です。

水道管の凍結による断水は過去に相次いでいて、今回の予想と似たような非常に強い寒気が流れ込んで西日本の各地で記録的な大雪や低温となった2016年1月には、九州や四国、中国地方、近畿などの21の府県で50万4000戸余りが断水しました。

厚生労働省は今月20日、全国の水道事業者や都道府県に対し、凍結の対策を指示していて「全国的に低温が予想されているため、各家庭でも備えを進めてほしい」と話しています。