中国「ゼロコロナ」終了後 初めての春節 寺院や公園に大勢の人

中国では22日、厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策が終了してから初めてとなる旧正月の春節を迎え、各地の寺院や公園などは大勢の人でにぎわっています。旧暦で正月を祝う中国では22日が元日に当たり、各地で新年を祝う行事が開かれています。

このうち、首都 北京にあるチベット仏教の寺院「雍和宮」には朝から家族連れや地方から旅行で来た人たちなどが大勢詰めかけ、入り口には長い行列ができていました。

訪れた人たちは混雑する境内で、長さ30センチほどの線香を顔の前に掲げて熱心に祈りをささげていました。

北京市内から娘と一緒に訪れた母親は「新型コロナウイルスの感染拡大でさまざまな方面に影響が出ていますが、毎年春節に参拝するのは中国の伝統ですから、来てよかったです」と話していました。

ことしは、中国政府が「ゼロコロナ」政策を終了させてから初めての春節で、これまでの厳しい行動制限が無くなったことから、前後の40日間に延べ21億人近くが移動するとみられ、農村部での感染拡大が懸念されています。

こうした中、習近平国家主席は今月18日に「最も心配なのは農村と多くの農民だ」と述べ、オンライン形式で地方の幹部などに、ぜい弱な医療体制の強化を指示しています。

「13日~19日 1万2658人が医療機関で死亡」中国が発表

中国で感染症対策を担う中国疾病予防センターは、新型コロナウイルスに感染して医療機関で死亡した人が、今月13日から19日までに1万2658人になったと発表しました。

中国政府が死者数の発表を行うのは今月14日以来です。

発表では呼吸不全で死亡した人が681人で、合併症で死亡した人が1万1977人だとしています。

中国では21日から旧正月の春節の大型連休が始まり春節前後の40日間で延べ21億人近くが移動すると見込まれる中、農村部などへの感染拡大も懸念されています。