ウクライナ東部 “ワグネル”がさらに攻勢 米政府は圧力強める

ロシア軍が侵攻を続けるウクライナでは各地で一進一退の攻防が続き、東部ドネツク州のウクライナ側の拠点バフムトでは、ロシア軍や民間軍事会社ワグネルの戦闘員がさらなる攻勢に向けた動きをみせています。こうした中、アメリカ政府はワグネルへの制裁を科すことも明らかにするなど、圧力を強める動きがでています。

ロシア軍はウクライナへの侵攻を続けていて、イギリス国防省は21日、主に3つの前線で一進一退の激しい攻防が続き、全体として戦況はこう着状態にあるという分析を示しました。

このうち東部ルハンシク州のロシア側が支配するクレミンナでは、ウクライナ軍が奪還に向けて前進する動きがみられ、南部ザポリージャ州では双方が部隊を集結させ、砲撃が行われたとしています。

一方、東部ドネツク州のウクライナ側の拠点の一つ、バフムトの攻防については「ロシア軍と民間軍事会社ワグネルは近郊の町ソレダールを掌握したあと部隊を再編していて、バフムト周辺ではロシア側が前進する可能性がある」と指摘しています。

バフムトの戦闘を巡っては、ワグネルが多くの戦闘員を投入して存在感を誇示しようとしているとみられ、アメリカ政府やイギリス国防省は20日、ワグネルがウクライナにおよそ5万人の戦闘員を送り込んでいるとする分析を示しています。

こうした中、アメリカ・ホワイトハウスは20日、北朝鮮がワグネルにウクライナで使用する兵器を提供していると非難したうえで、兵器を積んだとする貨物列車を捉えた衛星写真を公開しました。

アメリカ政府はワグネルがウクライナなどで残虐行為や人権侵害を続けているとして、国際的な犯罪組織に指定し制裁を科すことも明らかにしていて、ワグネルへの圧力を強める動きがでています。