中国 「春節」の大型連休始まる 日本の観光地は

中国などでは21日から春節にあわせた大型連休が始まり、成田空港には午前中から香港などからの観光客が到着しています。ただ、中国政府が海外旅行の制限を続けていることなどから、連休中、日本を訪れる中国人は新型コロナウイルスの感染拡大前より大幅に少なくなるとみられます。

中国政府の海外旅行制限で旅行客大幅増見通せず

新年を旧暦で祝う中国や香港などでは、21日から旧正月の春節にあわせた大型連休が始まります。

成田空港の到着ロビーには早朝から、大きなスーツケースなどを持った香港などからの観光客が姿を見せていました。
ただ、中国政府は海外旅行の制限を続けているほか、日本政府は中国本土との直行便について、増便を行わないよう航空各社に要請していています。

成田空港会社によりますと、新型コロナが流行する前の2019年の春節の直前の時期には、香港、マカオを含めた中国からの便は1週間におよそ370便運航されていましたが、現在はその4割に満たない程度で、旅行客は大幅には増えない見通しです。

母親と2人で香港から来た男性は「日本に来られたのは3年ぶりです。香港には雪がないので、北海道のニセコでスキーをするのが楽しみです」と話していました。

両親らとともに訪れ、長野県に向かう女性は「温泉や食事が楽しみです。コロナ前は毎年日本に来ていたので、今年は来られて嬉しいです。早くコロナ前のような状況に戻ってくれればいいと思います」と話していました。

神奈川 箱根 中国人旅行者はあまり見られず

温泉地として知られる神奈川県箱根町では去年秋以降の水際対策の緩和に伴って外国人旅行者の数は徐々に回復し、20日も芦ノ湖の観光船から富士山の景色を楽しんだり、買い物をしたりする外国人の姿が見られました。
カナダから訪れた夫婦は「箱根は湖も山もきれいなところが好きです。日本各地のいろいろな場所を回る予定です」と話していました。

一方で、以前は大勢訪れていた中国人旅行者の姿は、春節のシーズンを迎える中でもあまり見られない状況となっています。

芦ノ湖のほとりにある土産物店の店長は「ことしの春節も中国人旅行者が来てくれるか不安はある。今後、増えることを期待して、日本ならではの商品など品ぞろえを増やしていこうと思っている」と話していました。
日本政府観光局によりますと、先月の外国人旅行者数は推計で137万人と、前の年の同じ月の113倍に増えたものの、コロナ前には3割を占めていた中国からの旅行者はこのうち2%程度にとどまっています。

箱根周辺で鉄道や観光船を運営する会社によりますと、箱根などに向かう外国人向けの案内所を先月、利用した人のうち、中国人旅行者は全体の4%程度と依然として低い水準が続いています。
それでもこの会社では、中国人旅行者が今後、回復すると期待して、先月から箱根の周遊チケットを購入できるウェブサイトで中国語の簡体字や繁体字での対応を始めるなど、少しずつ受け入れ態勢を整えています。
小田急箱根ホールディングス営業統括部の市原健太さんは「外国人の利用もかなり戻ってきたが、まだ感染拡大前の半分に届くかどうかという状況だ。例年の春節は中国本土の方を中心に、観光船内でも日本語が聞こえないほどのにぎわいだった。早く戻ってきてもらい、箱根に以前のようなにぎわいを取り戻したい」と話していました。