
特定秘密漏えいで 衆院情報監視審査会 防衛相に実態調査を勧告
海上自衛隊の幹部が「特定秘密」が含まれる情報をOBに漏らした問題を受け、衆議院の情報監視審査会は、浜田防衛大臣に対し、現職の自衛隊員がOBに行っている情報提供の実態について調査するよう勧告しました。衆参両院に設置された情報監視審査会が勧告を行うのは今回が初めてです。
防衛省・自衛隊は、先月、高度な情報保全が求められる「特定秘密」が含まれる情報をOBに漏らしたとして、海上自衛隊の1等海佐を懲戒免職の処分にし、特定秘密保護法違反などの疑いで書類送検しました。
これを受けて、特定秘密保護法の運用を監視する衆議院の情報監視審査会は、防衛省の情報保全体制の改善が必要だとして、細田衆議院議長の了承を得て、浜田防衛大臣に勧告を行いました。
勧告では今回の問題について「自衛隊内の特殊で厳格な上下関係に起因して発生しており、今後も同種の事象が生じることが危惧される」と指摘したうえで、現職の自衛隊員がOBに行っている情報提供の実態について速やかに調査することや、情報提供を行う際の厳格な規範を設けることなどを求めています。
2014年に設置された衆参両院の情報監視審査会が勧告を行うのは初めてです。
小野寺会長は記者団に対し「防衛省はしっかり襟を正して、この国を守れる体制に体質改善してほしい。来週から通常国会が始まるので国会でも議論ができるよう速やかに報告を求めたい」と述べました。