去年の自殺者 2万1584人 2年ぶりに増加 男性や中高年が目立つ

去年1年間に自殺した人は速報値で全国で2万1584人と2年ぶりに増加し、厚生労働省は「男性や中高年が目立つ」としています。

厚生労働省の発表によりますと、去年1年間に自殺した人は速報値で2万1584人と前の年の確定値と比べて577人、率にして2.7%増えました。

増加は2年ぶりです。

男女別では
▽男性が1万4543人
▽女性が7041人で
男性は13年ぶりに増えました。

また、去年1月から11月の状況を分析したところ、年代別では
▽50代が最も多く3748人
次いで
▽40代が3358人
▽70代が2762人
などとなりました。

都道府県別で見ると人口10万人当たりの数が最も多かったのは
▽山梨県で24.3人
次いで
▽秋田県で23.7人
▽宮崎県で22.7人
などとなっています。

厚生労働省は「男性や中高年の人の自殺が例年に比べて目立った。新型コロナの影響も考えられるほか、著名人の自殺の影響もあるのではないかと分析している。関係省庁と連携して対策を強化していきたい」としています。

松野官房長官「自殺に追い込まれることのない社会 実現目指す」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「去年1月から11月までの暫定値の状況では、40代から60代の中高年の男性を中心に自殺者が増加し、職業別では失業者や年金生活者を中心に増加している」と指摘しました。

そのうえで「政府としては自殺を考えている人に対する電話やSNSの相談体制の拡充に努め、やむをえず職を失った人への就労支援や生活資金支援などを行っている。引き続き誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、総合的な対策を推進していきたい」と述べました。