ダボス会議 日本経済の課題は【豪 元外相に聞く】

スイス東部、ダボスでは世界の政財界のリーダーが集まる通称「ダボス会議」、世界経済フォーラムの年次総会が開かれています。日本経済について議論するセッションに参加したオーストラリアの元外相、ジュリー・ビショップ氏に日本の課題を聞きました。

Q.日本経済が長く低迷している要因は何か?

A.元外相として日本の政策立案に意見を言いたくはないが、みずからの経験をもとに話す。

オーストラリアは32年間、不況に陥ったことがない。その大きな要因が規制緩和プログラムだ。経済を開放しグローバルな競争を受け入れた。これは長期間に及び困難で挑戦的なプログラムだったがその結果、オーストラリア経済は力強くなった。

Q.日本経済を再び活性化させるためには何が必要か?

A.中小企業や起業家などが活躍できる環境を作るためには規制緩和が重要だ。同時に政府がどこまで経済に介入するか、その水準も考えておかなければならない。

新型コロナの感染拡大をうけて各国で政府の介入は高まったが、今後は、介入の度合いを改めて検討し、民間部門が成長とイノベーションを促進できるようにしなければならない。
Q.第2次世界大戦後、世界は自由貿易を推進してきたが今、分裂が進んでいる。この状況をどう受け止めているか?

A.グローバル化に対して反発が高まっているのは、自分たちが取り残されたと感じるコミュニティーがあるからだ。

このためポピュリズムの指導者が台頭してきたわけだがポピュリズムが長期的な成長にとって良くないことは歴史が示している。
Q.「脱グローバリズム」が進むとどのようなリスクがあるのか、また、日本はどのような役割を果たすべきか。

A.経済成長を低下させるさまざまなリスクをはらんでいる。特に関税の引き上げや移民を減らすなど保護主義的な政策は経済成長にとってマイナスだ。また、状況によっては紛争にさえ発展する可能性がある。

だからこそ、バランスをとって同じ考えを持つ国々がグローバルな貿易の利点を主張し続けることが重要になる。

日本は、開かれた輸出志向の市場経済国として大きな課題に直面している。国際的なルール、秩序を維持するため非常に重要な役割を担っていると思う。
Q.日本は女性の活躍が遅れていると指摘される。オーストラリアで女性初の外相を務めたあなたはどう改善するべきだと考えるか?

A.日本も、さらなる女性の活躍が必要であることを認識していると思う。どんな国でもすべての国民の才能やアイデアを受け入れない限り、その潜在能力を最大限発揮することはできない。性別の壁は文化的なものであることが多い。

女性の参加を促進するためには、規制や規則だけでなく、文化や人々の考え方を変えることが不可欠だ。