大阪 淀川河口のクジラの処理 なぜ大がかり?

大阪湾の淀川河口付近に現れ、その後死んだクジラについて、死骸の処理が始まりました。

ダイバーがクジラの体にネットを巻きつけて準備し、船で引っ張って岸壁に運び、クレーンで作業用の船に載せるという、大がかりなものになりました。

なぜこんなに大がかりな処理が必要なのか?

クジラの研究を行っている日本鯨類研究所の田村力さんに聞きました。

Q.死骸を放置しておくとどうなるの?

A.
クジラは哺乳類なので体温が高く、死んでしまうとすぐに腐敗が始まって内蔵や筋肉が溶けてしまう。

その過程でガスが発生し、風船状にふくらんでしまう。
今の時点でもかなりにおいは漂っていると思うが、爆発すると広範囲に飛び散ってしまう。

服についたりすると、何回洗濯してもそのにおいはとれません。

Q.死骸の処理はどうすればいいの?

A.
日本では、大きなクジラだと年間20から30頭ほど座礁しています。

処理方法は大きく3つあります。
▼1つ目は、砂浜など陸に埋める方法。
▼2つ目は、細かく切って焼却する方法。
▼3つ目は、今回とられる、海に沈める方法。
しかし、今回は体長が15メートル、体重40トン近い大きさなので、陸に上げたり燃やしたりする方法はとりづらい。

においの問題を回避するには、今回のように海に沈めるしかないと思っています。

Q.このあとの処理のポイントは?

A.
水深が深いところじゃないと、浮き上がってくる可能性があります。

確実におもりをつけて沈めることが大事です。
船の関係者の方はやったことのない作業で、においも今までかいだことがないと思いますが、安全第一で作業を進めてほしい。

クジラの死骸処理 これまでは

打ち上げられたクジラについては、これまでもたびたび問題になってきました。

クジラの死骸処理が初めて大きな問題となったのは、2002年。
鹿児島県大浦町(当時)の海岸に14頭のマッコウクジラが打ち上げられ、このうち13頭が死にました。

最初の1頭を砂浜へ運ぶ作業が難航したため、残りの12頭は海に廃棄。
このときの経験をもとに、水産庁は「鯨類座礁対応マニュアル」を作成しました。

一方で、打ち上げられたクジラを助けようとして、悲しい事故も起きています。

2007年には、愛媛県宇和島市の入り江に迷い込んだクジラを外に追い出そうとしたところ、クジラが暴れて船が転覆し、海に転落した1人が死亡しました。

巨大な生き物を相手にするだけに、安全第一が求められます。