コロナ国内初確認3年 都内の高齢者施設 第8波で厳しさ続く

新型コロナウイルスの感染が国内で初めて確認されてから3年となりました。
「第8波」で都内の高齢者施設は引き続き対応を迫られていて、入所者の感染が相次ぐ一方、医療機関のひっ迫で入院が難しいため、施設内で療養せざるをえないなど、影響が広がっています。

“職員不足し現場疲弊” “入院や救急搬送難しい”

先週13日、都内の高齢者施設で作る協議会の新型コロナ関連の会議がオンラインで開かれ、感染が広がる「第8波」の年末年始など直近の影響について、各施設長らが意見交換しました。

この中で参加者からは、第7波と同様に第8波でも各施設で職員や入所者の感染が相次いでいて、職員が不足して現場が疲弊するケースが多くなっているという現状が報告されました。

さらに入所者が感染しても医療機関の病床がひっ迫して、軽症などの場合は入院できずに施設内で療養せざるをえないケースが再び増えていて「どこの地域でも入院や救急搬送が難しいという状況が一気に出てきていると感じる」という意見が出されていました。

東京都高齢者福祉施設協議会の鶴岡哲也副会長は「非常に厳しい状況が続いていますが、新型コロナの対応は一つの施設だけの問題ではないので、各地の施設で経験したことを集約して、活用できる体制づくりも必要だと思います」と話していました。

多摩の特養も対応迫られる

東京 多摩市の特別養護老人ホームもこの3年、新型コロナウイルスの対策に追われてきましたが、先月下旬から職員や入所者の感染が再び増え、第8波への対応を迫られています。
施設によりますと、先月下旬から職員の感染が増えているため、別の職員や、同じ法人が運営する施設の職員がカバーして24時間、介護できる態勢を維持していますが、第7波に続き、職員が不足する事態に直面し、現場は疲弊しているということです。

また、入所者の感染も増えていますが医療機関のひっ迫で軽症などの入所者は入院できないケースが相次いでいるため、施設内の隔離された個室で感染防止対策をとったうえで療養してもらう対応をとっているということです。
特別養護老人ホーム「白楽荘」の鶴岡哲也施設長は「この3年は感染症の対策に追われていて、ずっと緊張感が続いている状況です。当初は施設の中にウイルスを持ち込まないことが最も重要な対策のポイントでしたが、今は感染者が出ても局所的に封じ込めて、短期間で収束を図る対策に軸足が移ってきています」と話しています。