新型コロナ 病床ひっ迫 救急受け入れ要請が5倍の病院も 東京

新型コロナウイルスの感染拡大で東京都内の病院では病床の使用率が9割にのぼるところもあり、救急患者の受け入れ要請が通常の5倍に増えて断らざるをえない状況が出ています。

東京 北区の東京北医療センターは新型コロナの専用病床を31床確保して、中等症の患者を中心に積極的に受け入れています。

コロナに感染した患者の受け入れは先月初めごろから増え始め、13日の時点では全体の9割に当たる29床の病床が埋まっているほか、小児科や産婦人科の病床でもコロナに感染した患者を受け入れているということです。

第7波では都や保健所からの要請で受け入れた患者が多かったのに対し、第8波では、別の病気で入院した患者が、その後の検査で感染が判明するケースなどが増えているということです。

こうした中、職員の感染も増え、内科や小児科など一般の診療科で20人から30人ほどが相次いで感染し、人手不足で入院患者の受け入れを制限せざるをえなくなっているということです。

また、救急の受け入れ要請も通常の5倍程度と大幅に増えていて、多くが発熱したり、陽性が確認されたりした患者だということですが、病床が埋まっているため受け入れを断らざるをえない状態が続いています。

こうした状況について、東京北医療センターの宮崎国久医師は「コロナの患者を受けられないだけでなく本当に診療が必要な一般の患者の受け入れが滞ってしまい、早く対応すれば回復した人が手遅れになるケースが出てしまうことを懸念している」と話しています。

また、病院では去年11月以降、コロナに感染した70代から90代の9人が死亡していますが、コロナの感染をきっかけに基礎疾患を悪化させて亡くなるケースが多く、人工呼吸器や心臓マッサージなどの延命治療を希望しないケースもあるということです。

宮崎医師は「感染者の数が増えればそれだけ死亡者も増えるので、とにかく感染者を減らす取り組みをしていくしかない」と話しています。