北海道 羊蹄山で雪崩 バックカントリースキーの外国人女性死亡

13日午後、北海道倶知安町の羊蹄山で、バックカントリースキーをしていた外国人の女性1人が雪崩に巻き込まれて死亡しました。警察は、外国人のグループを引率していたガイドから話を聞くなどして当時の詳しい状況を調べています。

13日午後2時すぎ、北海道倶知安町の羊蹄山の中腹で雪崩が起き、整備されていない斜面を滑るバックカントリースキーをしていた外国人グループの女性1人が雪に埋まりました。

女性は仲間に助け出され病院に運ばれましたが、その後、死亡が確認されました。

警察によりますと、雪崩に遭ったのは引率のガイドを含む外国人の男女10人のグループで、亡くなった女性は客として参加していました。

また警察が参加者から聞き取った話によりますと、当時はガイドの滑った跡をなぞって順番に滑り降りていましたが、亡くなった女性は少し離れた場所を滑っていて雪崩に巻き込まれたということです。

気象台によりますと倶知安町の午後1時すぎの気温は8度と、平年の最高気温よりも10度ほど高く、羊蹄山を含む後志地方にはなだれ注意報が出されていました。

警察はガイドから話を聞くなどして当時の詳しい状況を調べるとともに、亡くなった女性の身元の確認を進めています。

専門家「寒暖差がある時期には雪崩のリスクが高」

防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの上石勲特任参事は「現場付近では気温が上がっていたが日中の数時間だけで、それほど長く続いたわけではない。直近で雪や雨が多く降っていないことも踏まえると、雪崩が発生しやすい条件が特別そろっていたようには見えない。雪崩が表層で起きたのか、深いところから雪全体が崩れたのかなど、詳しいメカニズムは流れ下った雪の状況などを調べなければ分からない」と指摘しました。

また、14日にかけてこの時期としては記録的な暖かさが続いたあと、15日以降は北日本では再び気温が下がり雪が降ると予想されていることに触れ、気温の寒暖差がある時期には雪崩のリスクが高くなると指摘しました。

上石勲特任参事は「気温の上昇で融雪が進み、積もった雪の底面が滑って全体が大きく崩れる雪崩も起きやすくなる。また、雪の表面がとけたところに新たな雪がさらに降ることで発生する表層雪崩も、大規模で危険になる可能性がある。気温が上がる時だけでなく、下がるときも雪崩のリスクはあるのでしばらく注意を続けてほしい。自治体の雪崩のハザードマップも参考に、勾配が30度以上の斜面や木が雪の上に出ていないなど、危険な場所にはできるだけ近づかないようにしてほしい」と話しています。

バックカントリーでの遭難相次ぎ 警察が注意呼びかけ

バックカントリーと呼ばれる整備されていない雪山で、手付かずの自然の中を滑走するスキーやスノーボードが人気を集めています。一方でバックカントリーでの遭難が相次いでいることから、警察が札幌市内のスキー場で利用客に注意を呼びかけました。

この呼びかけは、札幌南警察署が札幌市南区にある「札幌国際スキー場」で行いました。

警察官と道の職員合わせて8人が、スキーやスノーボードをしようと訪れた人たちに、ポケットティッシュやチラシを配って、スキー場のコース外に立ち入らないよう要請し、ヘリコプターを使って上空からも注意を呼びかけていました。

このスキー場では今月2日、コース外でバックカントリースキーをしていた40代の男性が遭難し、警察や消防に救助されています。

鳥取県からスノーボードをしに訪れた20代の男性は「バックカントリーで滑ったことはありませんが、新雪の上を滑るのは楽しそうでやってみたい気持ちにはなります」と話していました。

札幌南警察署の秋元正人地域官は、「コース外は自然の冬山です。必要な装備がなければ遭難の可能性が高くなるので、スキー場のルールを守り安全に楽しんでほしい」と話していました。

バックカントリースキーの注意点は

北海道警の山岳遭難救助隊に入って26年となる松本孝志救助対策官に遭難を防ぐポイントを聞きました。

松本さんは「スキー場でひとたびコース外に出ると、雪の沢の中に転落したり立ち木に衝突したりするなど危険がたくさんある。スキー場から外にでる行為は多くのスキー場が認めていないので、スキー場の順守事項をよく守って行動してほしい。また、雪山を自分の足で登り、滑って降りてくる場合には、雪崩や道に迷うのに備えてGPSを携行し、防寒着や食料を用意して十分な装備で入山してほしい」と呼びかけています。

また、道内は13日、広い範囲で気温が上がりましたが、こうした天候では雪がとけ、スキーなどで斜面を滑ることで雪崩を誘発してしまうことがあって危険だと指摘しています。

松本さんは「雪山に入る人には『雪山三種の神器』と言われるスコップ、電波で位置情報を伝える装置「ビーコン」、それに「プローブ」という棒がある。雪崩に巻き込まれた際、埋没していてもビーコンの発信器で探すことができたり、棒で雪をつついたりできる。このような命を守る装備品を準備することが重要だ」と話していました。