新型コロナ 院内感染 患者や医療スタッフに相次ぐ 埼玉の病院

新型コロナウイルスの患者を受け入れている埼玉県内の病院では、入院患者のほか医療スタッフの感染が相次ぎ、新型コロナ以外の診療が滞るなど影響が広がっています。

埼玉県川越市にある「埼玉医科大学総合医療センター」では、先月以降、40床あるコロナ患者の専用病床のおよそ8割が埋まる状況が続いています。

このうちの多くが新型コロナ以外の病気で一般病床に入院し、その後、病院内で感染した患者だといい、外部から専用病床に新たな患者を受け入れることが難しくなっているといいます。

また、新型コロナから回復しても、転院先のリハビリ病院などで同様に病床がひっ迫して受け入れが難しくなっているため、入院期間が長期化し、病床が空かない悪循環が起きているとしています。

さらに、スタッフの感染も相次いでいて、ピーク時には看護師などおよそ100人が欠勤となったといい、手術が必要な患者の受け入れを断るなど、新型コロナ以外の診療にも影響が広がっているといいます。

感染症科の岡秀昭教授は「市中の感染者が実際にはかなり多いため、病院内での感染も増え病床が埋まってしまう事態が、当院だけでなくさまざまな病院で起きているのではないか」と話しています。

一方、この病院では第8波では死亡した人は1人にとどまっているということですが、死者が全国で急増していることについては「もともとの病気でそれほど余命が長くない方がコロナにかかって亡くなるケースが大多数で、以前のように働き盛りで日常生活を送っていた方が重症になって肺炎で亡くなるケースは少なくなっている。ただ、ワクチンを打っていない人は重症化する可能性があるので、接種を検討してほしい」と指摘しています。