柔道整復師 試験漏えい事件 元理事らに懲役10か月求刑

去年行われた柔道整復師の国家試験の問題に関する内容を事前に漏らしたなどとして、問題を作成する団体の元理事ら2人が柔道整復師法違反の罪に問われている事件の初公判が開かれ、元理事らはいずれも起訴された内容を認め、検察は元理事に懲役10か月を求刑しました。

▽柔道整復研修試験財団の元理事、三橋裕之被告(65)と、
▽この財団で試験問題の作成を担当していた黒田剛生被告(62)は、
去年3月に行われた柔道整復師の国家試験の内容を、専門学校の教員に事前に漏らしたとして、柔道整復師法違反の罪に問われています。

東京地方裁判所で開かれた初公判で、2人は起訴された内容を認めました。

検察は「試験問題を決める会議を録音したデータや、出題が予定される問題の要点となるキーワードなどを、それぞれが勤務する専門学校の関係者に送信した。国家試験の信用自体を破壊しかねない悪質な犯行だ」として三橋被告に懲役10か月、黒田被告に懲役1年を求刑しました。

これに対し、弁護側は「学生を合格させたいという思いから犯行に至ったもので、金銭を受け取ったりはしていなかった」と述べ、執行猶予のついた判決を求めました。

最後に、三橋被告は「業界の発展を考えて頑張ってきたが、自分の足元が見えていなかった。後悔してもしきれない。心から反省している」と述べました。