クジラの状態について、日本鯨類研究所の田村力さんは「死んでいるかどうかを見分けるには、鼻の穴が開いたり閉じたりしているかを見る必要があるが、まだ生きている可能性があり近づいて見ることは危険で、判定は難しい」と話しています。
そのうえで、マッコウクジラは深いところで餌をとるため、1時間近く息をしないことがあるが、浅いところでは通常、10分から20分に1回は呼吸するということで、「潮吹きというのは力強く呼吸していることの証しで、現状、潮吹きをほとんどしない、もしくは、していても見えないぐらいだということは呼吸が弱っていて、少なくとも衰弱していると考えられる」と指摘しています。
クジラがほとんど動いておらず、船が近づいても逃げようとしないことも衰弱していると考えられる理由のひとつだとしています。
そして、「3週間ほど餌を取らなくても回復して元いたところに戻ったケースもあるので、現状は見守るしかない」と話しています。
大阪湾のクジラ 発見から4日目 ほとんど動かず潮も吹かず
大阪湾の淀川の河口付近に現れたクジラは、発見から4日目の12日も見つかった場所からほとんど動いていません。海上保安庁によりますと、潮を吹いている様子は見られず、大阪市が今後の対応について検討を進めています。
今月9日の午前8時ごろ、大阪 西淀川区の淀川の河口付近で体長およそ8メートルのクジラが海面で泳いでいるのが見つかりました。
このクジラはマッコウクジラとみられ、大阪海上保安監部によりますと、12日午後4時半ごろには近くの岸壁から南におよそ400メートル、水深2メートルほどの場所を漂っています。
これまでは時折、潮を吹いていましたが、沖合の巡視船から確認した12日午前6時半ごろからの1時間半と午後2時半ごろからの2時間にはほとんど動きはなく、潮を吹いている様子も見られなかったということです。
大阪海上保安監部は今後も監視を続け、航行する船舶に注意を呼びかけることにしています。
また、大阪市はクジラが漂着した場合などについて今後の対応を検討しています。
専門家「少なくとも衰弱しているか」
