JAXA実験データ書き換え 理事長ら役員3人を厳重注意などの処分

JAXA=宇宙航空研究開発機構の古川聡宇宙飛行士が責任者を務める研究チームが実験データの書き換えなどを行っていた問題で、JAXAは山川宏理事長など役員3人を厳重注意などの処分にしたと発表しました。

この問題は、JAXAが2016年から翌年にかけて実施した通信ができない環境で、人体にかかるストレスを調べる実験で、研究チーム所属の2人の研究者がデータの書き換えなどを行っていたものです。

研究チームの実施責任者は古川聡宇宙飛行士が務めていて、JAXAは「ねつ造や改ざんというべき行為だ」として謝罪し、関係者の処分を検討していました。

その結果、10日付けで、
▽山川宏理事長と鈴木和弘副理事長を厳重注意、
▽担当の佐々木宏理事を訓告とする処分を行ったということです。

また3人は、いずれも今月受け取る給与の10%を辞退するとしています。

山川理事長は処分の理由について、「研究者が責任を持って適正に研究を遂行する環境を組織として整えられず、研究機関の長としての責任を果たせなかった」などとコメントしています。

一方、古川宇宙飛行士は12日に会見を開き、今回の問題についてみずから説明する予定です。

古川宇宙飛行士は、早ければ、ことしアメリカの宇宙船に搭乗し、国際宇宙ステーションに長期滞在する計画です。