世界全体の経済成長率を下方修正 インフレや利上げで 世界銀行

世界銀行は、ことしの世界全体の経済成長率について、前回の予測から1.3ポイント低い1.7%へと下方修正しました。
記録的なインフレや異例の利上げによって世界経済は急速に減速していて、さらに事態が悪化すれば不況に陥る危険性があると指摘しています。

世界銀行は10日、最新の世界経済の見通しを公表しました。

それによりますと、ことしの成長率は1.7%と、前回、去年6月時点の予測から1.3ポイント下方修正しました。

国や地域別では、アメリカが1.9ポイント低い0.5%、ユーロ圏は1.9ポイント低い0%と記録的なインフレや利上げによって経済が急速に減速すると予測しています。

また、新型コロナウイルスの影響が続く中国は0.9ポイント低い4.3%、日本は0.3ポイント引き下げて1%と見込んでいます。

世界銀行は、こうしたぜい弱な経済状況の中、予想を超えるインフレの進行や金利の引き上げなどさらに事態が悪化すれば不況に陥る危険性があると指摘しています。

また、新興国や途上国では、政府の債務の増加や先進国の利上げによる資本の流出によって危機はますます深刻化していると警鐘を鳴らしています。