サンマ 去年の水揚げ量 4年連続で過去最低

不漁が続いている、サンマの去年の水揚げ量は4年連続で過去最低を更新しました。

サンマの漁業者で作る業界団体「全国さんま棒受網漁業協同組合」のまとめによりますと、主な漁のシーズンである8月から12月に、全国の港に水揚げされたサンマの量は去年、1万7910トンと前の年と比べておよそ2%減少しました。

これは、記録が残る1961年以降で最も少なく、2019年から4年連続で過去最低を更新しました。

水産庁や業界団体では、地球温暖化などによる海流の変化で漁場が遠くなったり、稚魚が育ちにくくなったりしていることが要因ではないかと分析しています。

一方、10キロ当たりの産地での年間の取り引き価格は、漁が始まった8月から9月にかけて水揚げされたサンマが比較的小ぶりだったことから、全国平均で5758円と前の年よりおよそ7%安くなりました。

業界団体は「燃料価格も高騰する中、遠くの漁場に行っても不漁だという現状はとても厳しい。資源回復のための実効性のある国際的な規制を導入するなど対策を検討してほしい」と話しています。

宮城 気仙沼の水産加工会社「本当に厳しい状況続く」

全国有数のサンマの水揚げ量を誇る宮城県気仙沼市では、不漁や仕入れ価格の高騰で、缶詰を生産する水産加工会社が厳しい状況に置かれています。

サンマなどの缶詰を生産している気仙沼市の水産加工会社「ミヤカン」では、青魚の缶詰のうち、サンマが20%を占めましたが、不漁の影響で手に入りにくくなり、今では1%ほどにまで減少しています。

また、不漁で仕入れ価格が最大で6倍ほどに上がり、燃料価格の高騰なども重なってこの数年間でサンマの缶詰の価格を倍近くに上げたということです。

この会社では、サンマの替わりにサバやイワシの缶詰の生産を増やして売り上げを確保しているということですが、このまま不漁が続けば「気仙沼のサンマ」を使った商品が作れなくなると危機感を感じています。
「ミヤカン」の福島庸夫社長は「水揚げ量が増えることを期待していましたので、本当に厳しい状況が続くと感じています。『気仙沼と言えばサンマ』というブランドもあり、サンマの商品を楽しみに待っている人もいるので、苦しいながらも生産を切らさないように続けていきたい」と話していました。