韓国の中国大使館 中国訪れる韓国人への短期ビザ発給を停止

韓国にある中国大使館は、新型コロナウイルスをめぐる韓国の入国制限への対抗措置として、10日から中国を訪れる韓国人への短期ビザの発給を停止すると発表しました。
これに対し、韓国外務省の報道官は「韓国の措置は科学的で客観的な根拠に基づいたものだ」と強調しました。

韓国政府は、新型コロナウイルスの感染が急拡大している中国本土からの入国者を対象に、2月末まで入国の前後にPCR検査を義務づけるほか、1月末までは短期ビザの発給も制限するなどの水際措置をとっています。

これについて、韓国にある中国大使館は、韓国の入国制限への対抗措置として、10日から中国を訪れる韓国人への短期ビザの発給を停止すると発表しました。

中国外務省はこれまでに各国が過度な水際措置をとった場合には対抗措置をとる考えを示していました。

これに対し、韓国外務省の報道官は記者会見で「韓国政府の措置は科学的で客観的な根拠に基づいたものだ」と強調したうえで「国際社会と関連情報を共有するとともに、中国側にも韓国の立場を伝え、意思疎通を図っている」と述べました。

韓国側の水際措置をめぐっては、中国の秦剛外相と韓国のパク・チン(朴振)外相が9日に電話で会談した際にも議題に上がり、秦外相が懸念を示したのに対し、パク外相は科学的な根拠に基づいて今回の措置をとったことを伝えていました。

中国外務省 “訪中日本人へのビザ発給停止”には回答せず

中国が韓国人への短期ビザの発給を停止したことに関連して中国外務省の汪文斌報道官は、10日の記者会見で「遺憾なことに少数の国は、科学的な事実や自国の感染状況を考慮せず、中国に対して差別的な入国制限をとっておりわれわれは断固として反対し、対等な措置をとる」と強調しました。

一方「中国を訪れる日本人へのビザ発給をしばらく停止するよう通知を出したのか」と問われたのに対して、汪報道官は明確に回答せず、中国に対して差別的な入国制限をとっているとする「少数の国」に日本が含まれるかどうかも明言しませんでした。