【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(9日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる9日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米シンクタンク「ロシア軍の主張は虚偽」

ロシア国防省は8日、ドネツク州のウクライナ側の拠点のひとつクラマトルシクでウクライナ軍の兵舎を攻撃し600人以上を殺害したと一方的に主張しました。

これについてウクライナ軍の当局者は地元メディアに「情報操作だ」と否定したほか、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は8日、現地で取材するフィンランドの公共放送の記者が誰もいない学校にミサイルが着弾したとSNSで伝えたことに触れながら「ロシア軍の主張は虚偽だ」という見方を示しました。

また、ロシアの軍事ジャーナリストの間でも「建物が破壊されていない中でどうすれば600人のウクライナ兵を一度に殺害したと判断できるのか」と国防省の主張に疑問を呈するSNSの投稿が相次いでいます。

「戦争研究所」はロシア国防省が、今月1日にドネツク州マキイウカで多数のロシア兵が死亡した攻撃の報復だと主張することで当時の責任を回避するねらいがあるものの、ロシア側から「国防省はしばしば情報をねつ造している」などと逆に不満が生じていると指摘しています。

ロシア軍 攻撃継続 ウクライナ側 電力インフラへの攻撃警戒

ウクライナでは8日も東部や南部でロシア軍の攻撃が相次ぎ、ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は、東部ハルキウ州の村でミサイル攻撃があり、子どもを含む7人がけがをしたとSNSに投稿しました。

ウクライナのマリャル国防次官は8日「ドネツク州でウクライナ軍は一歩ずつ前進しているが、状況は複雑だ。ロシアの民間軍事会社の戦闘員からの攻撃にもさらされている」とSNSに投稿し、激しい攻防が続いているという認識を示しました。

また、ウクライナ軍の参謀本部は9日、バフムトのほか南部ヘルソン州でもロシア軍の砲撃がやまないとした上で「全土の重要インフラへの空爆やミサイル攻撃の脅威がある」と発表し、去年10月から続く電力インフラを標的にした攻撃への警戒を強めています。

ゼレンスキー大統領「世界はロシアのうそ再び目撃」

ウクライナでは、プーチン大統領が一方的に宣言した日本時間の8日朝までの停戦期間中も各地で攻撃が、相次ぎました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、「東部ドネツク州のクラマトルシクなどへの攻撃は市民を標的にしていて、すべてはロシアが『停戦』を宣言しているときに行われた。これはヨーロッパと世界に対する新たな脅しだ」と非難しました。

そのうえで「世界はロシアがうそをつくことを再び目撃した。ロシアが外交や政治を操る試みは2度と通用しないだろう」と述べました。

また、「前線の状況は、ことしの最初の1週間で大きく変わっていない。ルハンシク州とドネツク州では激しい戦闘が続いている」として、反転攻勢を続ける姿勢を強調しています。

“停戦期間中”もロシア軍による攻撃繰り返される

ウクライナではロシアのプーチン大統領が一方的に宣言した停戦期間中もロシア軍による攻撃が繰り返されました。

ロシア国防省は停戦終了後にウクライナ東部に攻撃を行い、兵士600人以上を殺害したと一方的に主張しましたが、ウクライナ側は「情報操作だ」として否定しています。