全国的に発生が相次ぐ鳥インフルエンザは大分県の郷土料理「鶏めし」にも影響を及ぼしています。
製造する大分市の食品加工会社では県外産の鶏肉を確保できず、商品の生産量を大幅に減らすなど厳しい対応を迫られています。
鶏肉とごぼうの炊き込みご飯、「鶏めし」は大分県で広く親しまれている郷土料理です。
全国各地で鳥インフルエンザの発生が相次いでいることを受けて、「吉野鶏めし」で知られる大分市の食品加工会社では去年12月から鹿児島や宮崎など、県外産の鶏肉の仕入れが難しくなっているということです。
このため、鶏めしの生産量はおよそ3分の1まで落ち込み、直売所での販売を中止したり、年末年始にはギフト用の注文を断ったりするなど厳しい対応を迫られています。
関西や関東の業者とも交渉し、仕入れ先の確保に努めていますがどの地域も鳥インフルエンザの影響が広がっているため新規の契約は難しく、この状況が続けば、一時的に休業することも検討しているということです。
鳥インフル 今季処分のニワトリなど 約998万羽で過去最多に
今シーズン、鳥インフルエンザで処分されるニワトリなどの数は、合わせておよそ998万羽となり、これまで最も多かった2020年からのシーズンの処分数を上回って過去最多となりました。
鳥インフルエンザは今シーズン、去年10月28日に岡山県倉敷市と北海道厚真町で発生が確認されたあと過去にないペースで相次いでいます。
9日、新たに茨城県城里町の養鶏場での鳥インフルエンザの発生が確認され、農林水産省によりますと処分されることになるニワトリなどの数は今シーズン合わせておよそ998万羽となり2020年から2021年にかけてのおよそ987万羽を上回って過去最多となりました。
また、養鶏場などでの発生の数もすでに過去最多となっていて、今回のケースを合わせて23道県の56か所となっています。
鳥インフルエンザは今シーズン大規模な養鶏場での発生が相次いでいて、先月には青森県三沢市の養鶏場で1か所として過去最多となるニワトリおよそ139万羽が処分されています。
農林水産省は、消毒や鶏舎にウイルスを運ぶ小動物を入れないようにする対策の徹底などを呼びかけています。
大分の郷土料理「鶏めし」にも影響


「吉野食品有限会社」の帆足政彦社長は「毎日スーパーに出荷しているおにぎりだけは販売を続けたいですが、今後の見通しがたたず模索を続ける日々です。お客様や取引先にご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちです」と話していました。