アルツハイマー新治療薬 米で承認 日本での承認申請も急ぐ考え

アルツハイマー病の新たな治療薬「レカネマブ」がアメリカで承認されたことを受けて、開発した大手製薬会社が7日会見を開き、日本での承認申請についても手続きを急ぐ考えを示しました。

大手製薬会社「エーザイ」などが開発した新たな治療薬「レカネマブ」は、アルツハイマー病の患者の脳にたまる「アミロイドβ」という異常なたんぱく質を取り除くことで病気の進行そのものを抑える効果が期待されていて、日本時間の7日、アメリカのFDA=食品医薬品局に深刻な病気の患者に対し、より早く治療を提供する「迅速承認」という仕組みで承認されました。

これを受け、「エーザイ」の内藤晴夫CEOが会見を開き、「製薬会社にとって薬の承認を得ることは大変なことで感慨がある」と振り返ったうえで、「症状の悪化を抑制することによって、早期の段階の病気の進行を平均でおよそ3年遅らせると推定していて、社会的なインパクトは大きいと考えている」と述べました。

そして、アメリカでの薬の価格を患者1人当たり年間、日本円にしておよそ350万円に設定したことを明らかにし、アメリカでは薬の投与の対象となる早期のアルツハイマー病の患者が3年後には10万人になるという見方を示しました。

この薬の日本での承認申請について会社側は3月末までに行うとしていますが、内藤CEOは「1日も早く行いたい」と述べ、手続きを急ぐ考えを示しました。