ロシア主張の“クリスマス停戦” アメリカは懐疑的な見方

ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は、ロシア正教のクリスマスにあたる7日、ロシア軍が一時的な停戦に入ったと主張したのに対し、アメリカ政府の高官は「停戦の時間帯に入ったが、戦闘が起きている」などと述べ懐疑的な見方を示しています。

ロシアのプーチン大統領は、ロシア正教のクリスマスにあたる7日にあわせて、日本時間の8日午前6時までの36時間、停戦するよう命じ、ロシア軍は一時的な停戦に入ったとしています。

これについてアメリカ国防総省のクーパー国防次官補代理は6日、記者会見で「停戦の時間帯に入ったが、ウクライナでは戦闘が起きている。プーチン大統領の発言は疑わなくてはならない」と述べ懐疑的な見方を示しました。

またウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官などは、停戦時間帯の直前に東部ドネツク州で病院や住宅がロシア軍による砲撃を受け多くのけが人が出たとSNSに投稿したほか、停戦時間帯にも首都キーウを含むウクライナ全土に防空警報が出されました。

一方、ロシア国防省は停戦時間帯にドネツク州などでウクライナ側から攻撃を受けたなどと主張していて、一方的な停戦が維持されるかは不透明な状況です。

こうしたなか、アメリカ国防総省は6日、ウクライナに対し機動力と火力を兼ね備えた装甲車「M2ブラッドレー歩兵戦闘車」50両など新たにおよそ30億ドル、日本円にしておよそ4000億円相当の軍事支援を行うと発表しました。

これについてウクライナのゼレンスキー大統領は6日、新たに公開した動画で「非常に強力な支援だ。戦闘車を初めて手に入れることになる。これこそまさに必要とされているものだ」などと述べ、支援に謝意を示しました。