ロシア軍の“一時停戦” 36時間維持されるか不透明な状況続く

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は、プーチン大統領の命令を受けて一時的な停戦に入ったと主張しています。ただ、その後、ウクライナ全土に防空警報が出されるなど、緊張は続いていて、日本時間の8日の朝までとしている停戦が維持されるかは不透明な状況です。

ロシアのプーチン大統領は、ロシア正教のクリスマスにあたる7日にあわせて、日本時間の8日の午前6時までの36時間、停戦するよう命じ、これを受けてロシア軍は停戦に入ったとしています。

ただ、ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官などは、停戦時間帯の直前に、東部ドネツク州で病院や住宅がロシア軍による砲撃を受け多くのけが人が出たとSNSに投稿したほか、停戦時間帯にも首都キーウを含むウクライナ全土に防空警報が出されました。

一方、ロシア国防省は、停戦時間帯にドネツク州などでウクライナ側から攻撃を受けたなどと主張しています。

親ロシア派の指導者は、ウクライナ側に停戦違反の試みがあれば即座に対抗するとけん制していて、一方的な停戦が維持されるかは不透明な状況です。

ロシア側が突然、一時停戦を表明したことについて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、前線での攻撃再開に向けて兵士らを休ませる時間を確保するねらいがあると分析しています。

また、「停戦期間中も戦い続けるウクライナ軍を、和平に向けた努力をする気がないと見せる意図があるとみられる」として、ロシア側の情報工作だという見方を示しています。